歯の健康のために、キシリトールガムを噛んでいる患者様が増えていますが、ガムを噛むことで得られるメリットは他にもあります。
一番のメリットは、歯並びの改善に役立つことです。
なぜ、ガムを噛むと歯並びを良くすることができるのでしょうか?
セルフケアでできる方法を探している方は、是非ご覧下さい。
ガムを噛むことで歯並びに影響する口周りの筋肉が鍛えられる
ガムを噛むと、口周りの筋肉を鍛えることができますから、筋肉や舌を正しい位置に戻すトレーニングが行えます。
現代人の食生活は、柔らかい食べ物が多く、噛む力が弱い方でも食べやすいというメリットがあります。
しかし、柔らかい食べ物を食べすぎてしまうと、それに慣れてしまい、口周りの筋肉が衰えてしまいます。
その結果、顎の成長が阻害されてしまい、歯並びに影響が出てしまうのです。
ガムを噛むことは歯並びのトレーニングだと考え、積極的に食べてみて下さい。
ガムでできる歯並びトレーニングの内容
ガムを噛むことでできる歯並びトレーニングは、とても簡単です。
ガムをただ噛むのでなく、左右の歯でバランスよく噛むようにしてみて下さい。
この時、ガムを2つ用意して、左右の歯で同時に噛むようにしましょう。
噛む回数は30回程度で、柔らかくなるまでで噛み続けます。
トレーニングのポイントは、バランスよく、継続して噛み続けることにあります。
これで、片方だけ咀嚼するようなことが防げるようになりますから、噛み合わせを改善できる可能性があるのです。
注意点は、ガムを強く噛み過ぎないことです。
強く噛んでしまうと、歯にかかる力のバランスが左右の歯で違ってしまうので、バランスが取れなくなってしまいます。
力のバランスも均等になるようにして、噛むように意識してみて下さい。
ガムは矯正治療で歯並び改善している時にも役立つ
また、ガムを噛んで歯並びを改善することは、矯正治療時にも役立ちますので、勧めている歯科クリニックが多いです。
実は、矯正治療を行っていても、歯並びを悪くする習慣が改善されないと、元に戻ってしまいます。
それを防ぐために、治療中に正しい歯並びにする習慣を身につける必要があるのです。
その訓練の一環として、ガムを噛むことが勧められているのです。
さらに、虫歯予防に効果的なガムを取り入れることで、一緒に予防をすることもできます。
どのようなガムが良いのか、歯科クリニックに聞いてみましょう。
ガムを噛むことは虫歯予防にもつながる
ガムを噛むと歯並びを良くすることができますが、他にも虫歯を予防できるという大きなメリットがあります。
なぜなら、ガムを噛むと唾液の分泌量が増加するからです。
虫歯はミュータンス菌と呼ばれる虫歯菌が糖を食べ、代謝物として強い酸を発生させ、歯を溶かしていくことで起こります。
こちらの対策として有効なのが、キシリトールガムを噛むことです。
まずガムを噛むことで、唾液が分泌されやすくなります。
唾液は緩衝作用を持っているため、口内の酸性度を下げたり、唾液の流れそのもので虫歯になりにくい環境にしてくれたりします。
また、甘味成分がキシリトールでできていると、ミュータンス菌は活発に動けません。
そのため強い酸を生成できず、菌の数も増えにくくなるため、虫歯になりにくいです。
ガムを噛むことによるその他のメリット
ガムを噛むことによるその他のメリットとしては、認知症の予防効果が挙げられます。
こちらは、ガムを噛むという行動が脳に刺激を与えることが理由です。
ものを噛むときには、歯にかかる力で歯根膜の下にある血管に圧が加わり、その結果ポンプのように血液を脳に送り出します。
血流によって脳が刺激を受けて活性化するため、よく噛むと脳の発達や認知症予防の効果があります。
また、胃腸の負担を減らせることも、ガムを噛むことによるメリットの一つです。
ガムを噛んで唾液をしっかり分泌させると、食べ物を消化する働きが増し、胃腸の負担が軽減されます。
ガムを噛むことによるデメリット
ガムを噛むことにはさまざまなメリットがありますが、噛みすぎは良くありません。
多く噛みすぎたり、強い力で噛みすぎたりすると、顎の筋肉が痛んで顎関節症になってしまう可能性があります。
また、ガムの噛みすぎは歯の表面のエナメル質が擦り減り、かえって噛み合わせが悪くなる原因にもなります。
噛み合わせが悪くなると、噛むたびに下の前歯が上の前歯の裏側を上方向に突き上げ、前歯が突出したり、知覚過敏を引き起こしたりすることがあります。
その他、ガムを噛みすぎて咀嚼筋が発達すると、フェイスラインが角張ってしまうことも考えられます。
ガムを選ぶときのポイント
歯並びのトレーニングや虫歯予防に使用するガムは、キシリトールが甘味料として50%以上配合されているものを選びましょう。
キシリトールは代表的な人工甘味料であり、虫歯のリスクを大きく軽減してくれる働きがあります。
また、食物アレルギーのある方は、アレルギー物質の確認も必要です。
なぜなら、ガムに含まれるキシリトールやソルビトール、エリスリトールなどの甘味料がアレルギーを引き起こす可能性があるからです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・ガムを噛むことは、歯並びを改善するためのトレーニングになる
・ガムを2つ用意して、左右の歯でバランスよく噛み続ける
・ポイントは、ガムを左右の歯でバランスよく噛み、強く噛み過ぎないようにすること
・矯正治療中にもガムでトレーニングできるので、セルフケアの一環として試してみよう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。