虫歯になる機会が多いと「歯って弱い組織なのでは?」と、思いがちです。
そもそも歯は、身近な物と比較するとどのくらい頑丈なのでしょうか?
また、何故虫歯菌に負けてしまうのでしょうか?
今回は、歯の頑丈さについて、身近な物と比較しながらお話ししましょう。
歯はどのくらい頑丈なのか?
人間の歯がどのくらい頑丈なのかは“モース硬度”と、呼ばれる単位で判断されます。
これは、硬さを10段階に分けて量る単位になります。
色々な物を1~10単位の中で分類すると、歯はモース硬度7に該当します。
同じモース硬度7に該当する物には、水晶が挙げられます。
10段階のうちの7に該当するということは、硬い物の中でもトップクラスに入ります。
ちなみに、硬度1に分類される代表的な物は、学校でよく使用されるチョークです。
チョークと歯を比較すると、圧倒的な硬さであることがイメージできます。
そして、モース硬度7に該当する歯は、鉄やガラスよりも硬いです。
鉄はモース硬度が4、ガラスは5になりますから、驚かれる方もいるはずです。
なお、今ある物質の中で硬度10に該当するのはダイヤモンドです。
モース硬度の分類は、もしかすると女性の患者様ならイメージがしやすいかもしれません。
歯が鉄やガラスよりも頑丈な理由
歯が鉄やガラスよりも頑丈なのは、歯の表面を覆っている”エナメル質”が関係しています。
エナメル質は、人間の体の中で最も硬い組織になり、歯を丈夫にしてくれているのです。
エナメル質のおかげで、ちょっとしたことでも歯に傷がつくことはありません。
このような特徴を持っているため、治療で歯を削る時は、歯よりも硬いダイヤモンドを使用した機器で作業していきます。
歯を削るのは、歯科クリニックにとって意外と苦労の多い作業になるのです。
歯が頑丈でもケアを怠ると虫歯になってしまう
歯を頑丈にしているエナメル質ですが、1つだけ弱点があります。
それが、虫歯菌です。
虫歯菌はエナメル質を溶かしてしまいますから、いくら頑丈な歯でも次第に弱くなってしまうのです。
それを防ぐためには、日頃からのケアと歯科クリニックでの定期健診が欠かせません。
自分の歯は一度も虫歯になったことがない、丈夫だからと侮らずに、歯科クリニックのサポートやケアを徹底しましょう。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・人間の歯はモース硬度7に該当し、水晶と同じくらい硬く頑丈なものになる
・歯は、鉄やガラスよりも硬いため、簡単に傷つくことは滅多にない
・歯が頑丈な理由は、表面を覆っているエナメル質にある
・エナメル質の唯一の弱点は虫歯菌であるため、ケアを怠らないようにしよう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。