虫歯が重症化している場合や、親知らずの生え方が良くない場合などは、歯科クリニックで抜歯をしなければいけません。
では、歯科クリニックでの抜歯は、どういった流れで行われるのでしょうか?
また、歯を抜くまでにはどれくらいの時間を要するのでしょうか?
今回はこれらの点を中心に解説します。
抜歯当日の流れ
抜歯の手順は、大まかに言うと麻酔をし、歯周靭帯というものを切除するところから始まります。
歯周靭帯とは、歯根膜とも呼ばれるもので、歯の根っこと歯の骨の間に存在する組織のことをいいます。
こちらを切除してから抜歯しなければ、歯茎が傷つくことがあるため、先に切除しておきます。
その後は、ヘーベルという器具を使用し、テコの原理を用いて歯を持ち上げます。
次に、鉗子という異物などを挟む器具で歯を引き抜きます。
最後に、悪い組織を取り除き、しっかりと止血をして完了です。
抜歯の所要時間
抜歯にかかる時間は、抜歯の難易度によって変わってきます。
歯周病や虫歯によってグラグラになっている歯や、健康な歯を矯正するために抜歯する歯は、5~10分程度で抜歯できます。
歯茎の上に生えている上の親知らずも、同じくらいの所要時間です。
一方、上の親知らずが水平に埋まっている場合や、下の親知らずが歯茎に埋まっている場合などは、抜歯の難易度が高くなるため、長ければ30~40分ほどかかることもあります。
特に問題のない歯であれば、10分程度で抜歯できると考えておきましょう。
抜歯当日の準備について
抜歯は外科手術の一つであるため、当日はまず体調を万全に整えることが大切です。
体調が悪かったり、睡眠不足だったりすると、麻酔の段階で気分が悪くなってしまうことがあります。
また、空腹すぎても、気分が悪くなることがあり、抜歯後はしばらく食事ができないため、あらかじめ軽くでも食事を済ませ、お腹を適度に満たしておきましょう。
満腹すぎても気分が悪くなることがあるため、できれば食事は抜歯の2時間くらい前までには済ませておきます。
その他、口内をある程度清潔にしておくことも重要です。
口内が汚れていると、術中あるいは術後の感染リスクが高くなってしまいます。
まとめ
ここまで、抜歯当日の一般的な流れや所要時間、患者さんの準備などについて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
信頼できる医師の手によって行われる抜歯は、決して危険なものではありません。
ただし、外科手術である以上、ある程度のリスクは避けられないため、患者さん側も必要最低限の準備を行い、極力リスクを減らすことが望ましいです。
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