【光が丘で歯周病治療】歯周病とアルツハイマー型認知症の関係について

今や国民病とも言える歯周病は、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病などの全身疾患につながるリスクがあり、妊娠中の女性は、低体重児出産を引き起こす原因にもなり得ます。

また、歯周病は、脳関連の病気であるアルツハイマー型認知症との関係も深いとされています。

今回は、こちらの関係について解説したいと思います。

アルツハイマー型認知症の概要

アルツハイマー型認知症とは、脳の神経細胞が減少し、脳が小さく委縮することにより、症状が現れる認知症のことをいいます。

新しいことが記憶できなかったり、時間や場所が分からなくなったりといった症状が特徴です。

また、アルツハイマー型認知症は、65歳以上の方ではもっとも多い認知症であり、アミロイドβと呼ばれる異常なタンパク質の蓄積と、神経原線維変化という脳の中での2つの変化を伴います。

進行すると症状はさらに悪化する

アルツハイマー型認知症が重度にまで進行すると、コミュニケーションを取ることができなくなり、自身の世話を完全に他人に依存するようになります。

最終的には身体機能の低下に伴い、ほとんどをベッドの上で過ごすか寝たきりの状態になる場合があります。

重度のアルツハイマー型認知症でよく見られる症状は以下の通りです。

・コミュニケーション能力の喪失
・体重減少
・けいれん発作
・皮膚感染症
・嚥下困難
・うめき声をあげる
・睡眠時間の増加
・排便、排尿障害 など

アルツハイマー型認知症と歯周病の関係

歯周病は、主に歯茎の炎症や腫れ、出血などを伴う症状であるため、一見アルツハイマー型認知症とは関係のないように思えますが、実際はそうではありません。

歯周病菌の一つに、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌(Pg菌)というものがありますが、こちらが歯周ポケットから血管の中に入り込むと、血流に乗って全身に広がります。

また、Pg菌は免疫により、体内で死滅しますが、こちらの死骸は発熱など諸々の生体反応を出すエンドトキシンという内毒素を体内に残します。

こちらのエンドトキシンが脳に蓄積されることにより、アルツハイマー型認知症を進行させるアミロイドβが脳に溜まるという仕組みです。

歯周病で歯を失うこともアルツハイマー型認知症につながる

歯周病が進行すると、最悪の場合歯が抜け落ちてしまうことがあります。

また、歯を失うと、これまで通り食べ物を噛むことができなくなるだけでなく、認知機能を低下させてしまう可能性もあります。

食べ物を噛む動作は、脳の活性化と大きな関わりがあり、噛んだ刺激は脳の中心部にある海馬という器官に伝わり、脳を活性化させます。

実際、65歳以上を対象とした、認知機能と歯の本数に関する調査では、歯がほとんどないグループは、歯が20本以上残っているグループと比べて、認知症のリスクが1.9倍も高まるという結果が出ています。

参考:全国レセプト・特定健康診査データベースを用いた歯の数とアルツハイマー病との関連

中年以降は特に歯周病によるアルツハイマー型認知症に注意

九州大学や中国の北京理工大学などの研究チームは、中年以降の方が歯周病によるアルツハイマー型認知症のリスクが高いという研究データを発表しました。

こちらの研究は、若いマウスと中年マウスの両方に、歯周病菌の一種であるPg菌を全身投与するというものです。

投与した結果、アミロイドβが蓄積したり、アルツハイマー型認知症のような症状を発症したりしたのは、中年マウスのみでした。

こういった傾向は人にも言えることであり、日本人の成人の約8割は歯周病に罹患していると言われています。

特に45歳以上の半数以上は歯周病であり、歯周病やアルツハイマー型認知症の発症に注意しなければいけません。

歯周病は他の病気にもつながる

歯周病はアルツハイマー型認知症だけでなく、他の病気を併発することもあります。

代表的なものとして挙げられるのが、誤嚥性肺炎や心臓病、糖尿病などです。

誤嚥性肺炎は、食べ物などが誤って気管に入ることで引き起こされる肺炎です。

誤嚥性肺炎患者の肺の中を見てみると、高確率で歯周病菌の繁殖が見られます。

また狭心症や心筋梗塞などの心臓病は、歯周病菌が血流に乗って心臓に到達することで起こり得る病気です。

ちなみに糖尿病に関しては、歯周病との相関関係があることがわかっています。

すなわち歯周病は糖尿病を発症しやすく、逆に糖尿病は歯周病を誘発する確率が高いということです。

若いうちから歯周病予防をすることが大切

歯周病やアルツハイマー型認知症、その他の疾患を防ぐには、若いうちから歯周病予防をすることが大切です。

ある研究によると、異常なタンパク質であるアミロイドβは、脳に溜まり始めてから25年程度をかけてアルツハイマー型認知症を発症させることがわかっています。

歯周病は30代くらいから発症する方が多いですが、アルツハイマー型認知症は50歳未満など、若い年齢で発生することもあります。

そのため、歯周病予防は20代のうちから行っておくのがベストです。

もちろん20代を過ぎている方でも、ブラッシングや歯科クリニックのメンテナンスなどをなるべく早く行うことで、リスクを下げることが可能です。

まとめ

ここまで、歯周病とアルツハイマー型認知症の関係について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

アルツハイマー型認知症には、進行を遅らせる作用がある抗認知症薬が存在しますが、現時点で完治させる薬はありません。

そのため、なるべく発症を避けるために、若いうちから歯周病予防を含む口内ケアを行うのが大切です。

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