妊娠中は、ホルモンバランスの変化や悪阻による影響などにより、虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
また、それ以外の口内における症状として挙げられるのが、就寝時の歯ぎしりです。
今回は、妊娠中の歯ぎしりにおける主な原因や、代表的な治療法などについて解説したいと思います。
妊娠中の歯ぎしりにおける主な原因
妊娠中は、体調や環境の変化によるストレスから、歯ぎしりが増えやすい傾向にあります。
特に、妊娠中も上の子の育児、仕事や介護などで忙しくしている方は、その傾向がより強くなります。
また、寝不足や眠りが浅くなることにより、習慣的に歯ぎしりをしてしまうことも考えられます。
就寝中に行われる歯ぎしりは、妊婦さん自身が無意識のうちに行われるため、症状が悪化するまで気が付かないというケースもあります。
妊娠中の歯ぎしりを放置するとどうなる?
妊娠中の歯ぎしりを治療せずにそのまま放置すると、妊婦さんの身体の負担は大きくなります。
具体的には、歯ぎしりによって咬筋などの筋肉に負担がかかり、そこの筋肉につながる首や肩周りの筋肉にも炎症が起きやすくなります。
また、顎関節を痛めたり、歯根膜をはじめとする歯周組織にダメージが蓄積し、咬合性外傷と呼ばれる歯周組織の病気を引き起こしたりすることも考えられます。
咬合性外傷は、歯周病と同じように歯茎や歯槽骨が破壊されていく病気であり、こちらは今後生まれてくる胎児に対しても、一切影響がないとは言い切れません。
妊娠中の歯ぎしりにおける主な治療法
妊娠中の歯ぎしりを改善する治療法として一般的なのは、やはりナイトガードです。
こちらは、上顎に装着する薄いマウスピースのことで、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりによってかかる歯や顎への負担を軽減してくれます。
また、ナイトガードは、噛み合わせの微妙なズレを調整し、諸々の症状を緩和する効果も期待できます。
ちなみに、朝起きたときに顎が痛いなど、歯ぎしりをしている可能性がある方は、ナイトガードについた傷や削れた跡を見ることにより、自身がどれくらい歯ぎしりをしているのかがある程度わかります。
まとめ
ここまで、妊娠中の歯ぎしりにおける原因や治療法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
無意識のうちに行われる歯ぎしりは、歯の負担が大きくなるだけでなく、その他の病気や身体の不調を引き起こすこともあります。
特に、妊娠初期はこちらの症状が出やすいため、違和感を覚えた方、家族からの指摘があった方などは、早急に歯科クリニックを訪れることをおすすめします。
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