子どもに矯正治療を受けさせるにあたって、親御さんはいくつか不安な点が出てくることがあります。
具体的には「費用はどれくらいかかるのか」「子どもの負担やストレスにならないか」といった不安です。
今回は、子どもが矯正治療に対して抱くストレスとその対処法について解説します。
子どもが矯正治療に対してストレスを抱く場面
子どもの矯正治療は、第一期治療、第二期治療の2つに分かれます。
第一期治療は、乳歯と永久歯が混在する時期の矯正治療で、顎の骨を広げ、永久歯の生える位置を正しくすることを目的に行われます。
第二期治療は、永久歯が生え揃った後に行う治療で、大人と同じような矯正器具が用いられます。
これらの矯正治療を行うとき、子どもは口内に矯正器具が入ることにより、異物感を感じ、気持ち悪くなったり、ストレスがたまったりすることがあります。
特に、ワイヤー矯正など、取り外しができない矯正装置の場合、異物感によるストレスはより大きくなることが考えられます。
また、子どもならではのストレスとしては、学校などでからかわれることに対してのストレスが挙げられます。
学校で矯正装置をつけていると、好奇の目で見られたり、バカにされたりする可能性があり、こちらが思春期の子どもにとっては耐え難いストレスになります。
その他、歯科クリニックへの通院や、食事・歯磨きがしにくいことなども、ストレスにつながる要因です。
単純に治療期間が長引くこともストレスにつながる
単純に矯正治療の期間が長引くことも、子どものストレスにつながる可能性があります。
矯正治療は、前述の通り第一期治療と第二期治療に分かれています。
これらの治療を完了させるまでには、数年を要します。
つまり矯正治療を行っている期間、子どもは常に矯正装置の異物感によるストレス、周囲の視線によるストレスを感じ続けるということです。
もちろん、子どものストレスが強いからといって、基本的に途中で矯正治療をストップすることはできません。
しかし、矯正治療の期間が長引くほどストレスが大きくなりやすいのは確かです。
矯正治療に伴う痛みがストレスにつながることも
子どもの矯正治療では、歯を移動させるときにある程度痛みが生じることがあります。
こちらも当然子どもにとってのストレスになります。
特に矯正装置をつけ始めた頃、歯が移動し始めた頃は、痛みを感じやすくなります。
さらに、歯並びが悪ければ悪いほど移動する距離が長くなるため、痛みを感じる可能性は高いです。
ただし、子どもは大人と比べて適応能力が高いです。
そのため、矯正治療による痛みにもすぐに慣れる可能性が高いです。
矯正治療中の虫歯や歯周病がストレスを増大させることも
最初の項目で触れた通り、矯正治療中はブラッシングがしにくいです。
特にワイヤー矯正など、固定式の矯正装置は常に装着しなければいけないため、歯と矯正装置の間などは磨きにくくなります。
またブラッシングがしにくいということは、当然虫歯や歯周病を発症する可能性が高まるということになります。
矯正治療中に虫歯が発生すれば、当然歯は痛くなりますし、歯周病を発症すれば歯茎の腫れや出血などの症状が出ます。
矯正治療を受けている時点ですでにストレスが溜まっているにもかかわらず、これらの症状まで出てしまうと、子どものストレスは非常に大きくなります。
ちなみに矯正治療中に虫歯や歯周病を発症した場合、基本的には矯正治療を中断して疾患の治療を優先しなければいけません。
子どもの矯正治療には親御さんのサポートが必要不可欠
これらのストレスを少しでも解消するために、親御さんは子どもの矯正治療をサポートしなければいけません。
例えば、きちんと装着時間を守ったことに対し「〇〇ならできるよ」「頑張ったね」と励ましたり、褒めたりすることで、子どもは矯正治療に対して前向きになれる可能性があります。
歯磨きをするタイミングについても、なるべく子どもと合わせるようにし、コミュニケーションを取りながら楽しく磨くことで、面倒臭さやストレスを多少和らげることができます。
また、日頃からコミュニケーションを積極的に取ることで、学校生活での悩みなども聞き出せることが考えられます。
適切な装置選びや定期的なメンテナンスも必要
親御さんは子どものサポートの一環として、適切な矯正装置を選んであげることも大切です。
具体的には目立たない装置や取り外し可能な装置を選ぶことで、見た目のストレスや食事、ブラッシングのストレスなどを軽減できます。
また矯正治療中の虫歯や歯周病を防ぐため、定期的に歯科クリニックのメンテナンスに通わせることも大切です。
子どもが自発的に「メンテナンスに通いたい」ということは基本的にありません。
親御さんが通院を促すことで、子どもは虫歯や歯周病の症状に悩まずに済みますし、当初の計画通り矯正治療を進めやすくなります。
まとめ
ここまで、子どもが矯正治療に対して抱くストレスやその対処法について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
矯正治療は、大人でも我慢しなければいけないことがあるため、精神的に未熟な子どもがストレスを抱くのも無理はありません。
そのため、親御さんは子どもに優しく接し、あくまで親子二人三脚で矯正治療を行うスタンスを崩さないようにしてください。
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