サイナスリフトは、上顎の骨の再製手術の1つで、上顎洞底部に人工骨や自家骨を移植した後、インプラントを骨に埋入します。
上顎洞底部から歯槽骨の先までの垂直的な骨の量が、6mmに満たない場合に用います。
今回は、インプラントにおけるサイナスリフトのメリットや注意点、手順などについて解説します。
インプラントにおけるサイナスリフトのメリット
インプラントにおけるサイナスリフトのメリットは、上顎骨の高さが足りない方でも、インプラントの埋入が可能な点です。
もし、他院では「骨が薄く、インプラントは不可能」と言われたとしても、診断によってはサイナスリフトを行うことで、治療ができるかもしれません。
また、サイナスリフトは骨を広範囲に造成でき、治療の効果が長続きすることでも知られています。
その他、目視しながら治療ができるため、安全性も高いです。
インプラントにおけるサイナスリフトの注意点
インプラントにおけるサイナスリフトの注意点としては、まず侵襲が大きいことが挙げられます。
侵襲とは、治療によって身体にかかる負担のことであり、治療時の安全性については問題ありませんが、歯茎を切開し、骨を移植することから、インプラント治療のみを行う場合よりも侵襲が大きくなるのは事実です。
また、サイナスリフトは、移植した骨が安定してくるまでに、およそ6ヶ月の期間を要します。
つまり、治療期間が長くなりやすいということです。
インプラントにおけるサイナスリフトの一般的な流れ
サイナスリフトは、一般的に以下のような流れで行われます。
・インプラントを埋入予定の部分の歯茎を切開、剥離し、顎骨の側面が見えるようにする
・顎骨の側面に窓をつくる
・シュナイダー膜を破らないよう、上顎洞側に押し込み、顎骨と引きはがす
・新たにつくった空間に骨補填材を入れる
・顎骨の側面につくった窓を特殊な膜や骨片で塞ぎ、歯茎を縫合する
ちなみに、サイナスリフトが終わった後は、傷への刺激を防ぐため、24時間うがいを控えます。
また、手術後には顔や首に青あざが出ることがありますが、内出血は7日前後で消えるため、大きな心配はいりません。
まとめ
ここまで、インプラントにおけるサイナスリフトのメリットや注意点、一般的な手順について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
サイナスリフトは、すべての方が受けるものではありませんが、骨の厚みが少ない方は選択肢に入る可能性があります。
また、インプラントに伴う骨造成には、他にもいくつかの種類があり、実際受ける際には、各治療法を比較することが望ましいです。
患者様には、治療内容をアニメーション動画で分かりやすく説明し、納得頂ける治療をさせて頂きます。