インプラント治療では、最終的に人工歯を装着するまでの期間、歯がない部分に仮歯を装着します。
こちらは、問題なくインプラント治療を完了させるためには欠かせないものであり、さまざまな役割を担っています。
ここからは、インプラント治療における仮歯の重要性について解説したいと思います。
仮歯は歯並びの歪みを防ぐ
インプラント治療において仮歯を入れることにより、歯並びの歪み防止につながります。
歯がない部分があると、周囲の歯は自然とその隙間を埋めるように傾いたり、伸びたりします。
歯は1ヶ月で1mm程度動くため、仮にインプラントが固着するまでに6ヶ月かかるとすると、仮歯がなければおよそ6mmも歯がずれることになります。
また、歯がずれると当然歯並びや噛み合わせは悪くなりますし、見た目も良くなくなってしまうため、こちらを仮歯で防止することはとても重要です。
細菌や負担から患部を守るのも仮歯の重要な役割
口内には、およそ1,000億~6,000億もの常在菌が存在しますが、これらの中には虫歯菌や歯周病菌などの細菌も含まれています。
インプラントが完全に定着する前に細菌感染を起こしてしまうと、炎症によって骨との結合が阻害されるため、避けなければいけません。
また、口内は食事や会話などで動かす機会も多く、咀嚼時の咬合圧や、飲食物の温冷などの刺激が直接インプラントにかかると、ダメージを受けてしまいます。
一方、インプラント治療の際に仮歯を装着すれば、これらの細菌感染や負担からインプラントを守る蓋のような役割を果たしてくれます。
仮歯は歯茎を慣らすことにも機能する
インプラント治療における仮歯は、あらかじめ歯茎を慣らすことにも機能します。
インプラントの装着後、口内の異物感や痛みなどを感じやすくなるというケースはよくあります。
こちらは、インプラントを装着することにまだ慣れていないことが理由です。
仮歯には、前もって自身の歯茎をこのような異物感に慣らす役割があり、装着しているのといないのとでは雲泥の差が生まれます。
ちなみに、仮歯の装着によって違和感が生まれた場合でも、その段階で微調整を行い、より使いやすい完成形の人工歯をつくることができます。
まとめ
ここまで、インプラント治療の際に用いる仮歯の重要性について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
仮歯がなければ、インプラント前に歯並びが悪化したり、歯茎が炎症を起こしたりする可能性は高くなります。
ただし、仮歯は人工歯と比べて耐久性が低く、外れやすいため、万が一トラブルが発生した場合には、早急に歯科クリニックに相談してください。
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