性別を問わず、理想としている体形に近づくため、ダイエットをされている方は多いです。
しかし、ダイエットは健康的に行わないと意味がありません。
過剰なダイエットを行うと、体の不調だけでなく、虫歯リスクを高めることになるのです。
今回の記事では、その理由についてご説明しましょう。
過剰なダイエットと虫歯～ドライマウスになりやすい～
健康的な体を作るために、毎日の食生活を見直すのは良いことです。
ですが、極端なダイエットのために食生活が狂ってしまうと、体が健康的に痩せていきません。
それだけでなく、ドライマウスになりやすくなってしまうのです。
唾液の分泌には、正しい食生活が欠かせません。
過剰なダイエットをしてしまうと、分泌量が足りないだけでなく、分泌できる土台がそもそも整っていない状態になります。
ダイエットがきっかけでドライマウスになってしまうと、そこから虫歯菌が活発になる恐れがあります。
いくらダイエットのためとはいえ、栄養が偏った食事や不規則な食事は基本的にNGだと考えましょう。
ダイエット中の食事回数が増えると虫歯リスクが上がる
また、ダイエットの中には、一日に数回食事をする方法もあります。
一回の食事の分量を減らし、小分けで複数回食べることで、空腹になりにくい状態を作っているのです。
食べ物の分量をコントロールする方法の中では、比較的抵抗感が少ないものになります。
しかし、この方法は歯科クリニックから見ると、ダラダラ食いをしていると考えることができます。
ダラダラと食べ続けている状態は、常に虫歯菌の活動しやすい環境になってしまいます。
虫歯菌の行動を抑えられませんから、かえって虫歯リスクを高めてしまうのです。
ダイエット中の空腹感を紛らわす方法としては最適かもしれませんが、虫歯リスクと隣り合わせの方法であることを覚えておきましょう。
過度なダイエットは酸蝕歯にもつながる
過度なダイエットを続けていると、酸蝕歯という酸によって歯が溶ける症状につながることもあります。
こちらは、摂食障害が原因です。
摂食障害のうちの一つである拒食症は、無理なダイエットを行うことで発症する可能性があります。
仕組みとしては、「絶対に痩せなければいけない」という思いが強すぎるあまり、食事をしたときに嘔吐してしまうというものです。
また食事の後に嘔吐すると、強い酸性の胃酸が逆流し、口内に入って歯にダメージを与えます。
こちらが酸蝕歯です。
酸蝕歯は虫歯菌が関与していませんが、虫歯のように歯が溶けてしまったり、弱体化してしまったりするため、注意しなければいけません。
ダイエット中に食べすぎない方が良い果物
ダイエット中は果物を積極的に摂取するという方も多いですが、中には虫歯のリスクが高いものもあります。
特に注意したいのは、朝食や間食として摂取されることが多いバナナです。
バナナはビタミンやミネラル、食物繊維などがバランス良く含まれていて、美肌効果や貧血予防、熱中症予防や便秘予防などが期待できます。
また、バナナには種類の異なる糖が含まれていて、それぞれ体内に吸収される速度が異なります。
そのため、血糖値の上昇が緩やかになり、ダイエット効果が期待できます。
しかしバナナは粘着性が高く、歯にくっつきやすいため、他の果物と比べて虫歯になりやすい傾向があります。
歯に付着してしまうと、唾液の作用があってもなかなか簡単には落ちません。
過度なダイエットは口臭にもつながる
過度なダイエットを行うと、口臭を発する可能性も高くなります。
1つ目の原因は、先ほども解説したドライマウスです。
そしてもう1つの原因としては、基礎代謝が下がることが挙げられます。
通常の食事では、糖質を含め、基礎代謝を維持していくために必要な栄養素が十分に摂取できています。
一方、ダイエットを行うと栄養不足になり、身体は基礎代謝を下げようとします。
また基礎代謝が下がると、身体の機能も相対的に低下し、乳酸が溜まりやすい状態になります。
乳酸からは、老廃物の一種であるアンモニアのニオイが放出され、こちらが口臭となって現れることがあります。
ストレスによって歯茎が下がることも
過度なダイエットはストレスにつながり、歯茎が下がる原因にもなります。
過度な食事制限や運動量をこなしている場合、多くの方がストレスを抱えます。
また、ストレスを発散させる方法によっては、歯茎を後退させる原因になる可能性があります。
例えば、喫煙によって歯茎の血行が悪くなると、栄養不足で免疫力が低下します。
これにより、歯周病が進行して歯茎が後退します。
またストレスでイライラした状態で歯を磨くと、強くこすりすぎて歯茎を傷付けたり、抗体させたりするおそれがあります。
適切なダイエット法と虫歯になりにくい食材で健康的に痩せよう
ここまで、過剰なダイエットは虫歯リスクを高めることについて説明しましたが、適切な方法で健康的に痩せる分には問題ありません。
食生活を見直す際も、虫歯になりにくい食材を取り入れることで、一緒に虫歯予防を行うことができます。
健康的なダイエットをするためにも、是非歯科クリニックを頼ってみて下さい。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・過剰なダイエットをするとドライマウスになり、虫歯リスクが高くなる
・食生活が乱れると、唾液の分泌量が減り、虫歯菌が活発になる環境を作ってしまう
・一日に複数回食事をするダイエット法も、ダラダラ食べに繋がってしまう
・適切なダイエット法と虫歯になりにくい食材で、健康的に痩せよう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。
