自分の歯を観察した時に、グレー色になっている歯がありませんか?
歯に色が付いていると、虫歯になってしまったかと疑ってしまいますが、グレー色の歯はそれとはまた違います。
こちら、テトラサイクリン歯と呼ばれ、虫歯に全く関係がないのです。
テトラサイクリン歯には、どのような特徴があるのでしょうか?
テトラサイクリン歯の特徴~グレー色の理由~
テトラサイクリン歯の分かりやすい特徴は、グレー色であることです。
これは一般的な着色汚れと違い、抗生物質の副作用によって生じたものです。
抗生物質と言っても、いつ自分が服用したのか、身に覚えのない方もいます。
この現象は、テトラサイクリン系の抗生物質を8歳までに大量に服用した場合に起こります。
抗生物質が服用される主な症状は、百日咳やマイコプラズマ肺炎になり、風邪薬のシロップとしても用いられていました。
現在は歯が着色する、エナメル質の形成不全等の影響が確認されているため、使用されることが滅多にありません。
特に、妊婦さんや授乳中の方、8歳頃までの子どもには使用を避けるように言われています。
このような状態は、抗生物質が良く使用されていた昭和40年代の方に多く見られます。
虫歯のように見えても、全く別の意味の着色になりますから勘違いしやすいのです。
とはいえ、素人判断では虫歯を見過ごしてしまう可能性もありますから、一度歯科クリニックでどちらなのかを明らかにしましょう。
テトラサイクリン歯の変色過程の特徴と治療法
テトラサイクリン歯の特徴である色は、抗生物質と特定の栄養素が結びつくことで発色します。
主な栄養素には、カルシウムや鉄、亜鉛が挙げられます。
これらの栄養素は体に良いことで有名ですが、テトラサイクリンに変色のきっかけを与えることになります。
また、特定の栄養素と結びつくだけではありません。
その後に、紫外線に触れることで徐々に色が濃くなっていく特徴もあるのです。
歯には、日焼け止めのように紫外線対策を施すことができません。
そのため、紫外線を直に受けやすい前歯の変色が濃くなることがあるのです。
虫歯でないにしても、着色が気になる方はいます。
テトラサイクリン歯であることが発覚した場合は、歯科クリニックでホワイトニングをすることで色の改善をすることができます。
色の濃さによってはホワイトニングが向かないこともありますので、まずは状況を確認しに行ってみましょう。
色の度合いから、歯科クリニックで可能な治療法を提案します。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・テトラサイクリン歯の特徴であるグレー色は、抗生物質の大量服用によるもの
・変色していたとしても、虫歯による色の変化とは違う
・テトラサイクリンと特定の栄養素が結びつき、紫外線を受け続けると色が濃くなる
・テトラサイクリン歯の治療は歯科クリニックで可能
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。