毎日使用している歯ブラシには、多くの菌が付着しています。
増殖するのを防ぐために、できるだけ乾燥させることが大切です。
しかし、良かれと思ってやっているケアの中には、衛生状態を悪化させているものもあるのです。
本記事では、歯ブラシを清潔にするために、絶対にやってはいけない3つの行為をご紹介しましょう。
歯ブラシを”熱消毒“で清潔にする
歯ブラシに限らず、電子レンジや熱湯を使用して消毒し清潔に保つ方法を思いつく方は多いです。
しかし、歯ブラシに関して言うと、熱消毒はNGです。
なぜなら、熱消毒した際の温度が歯ブラシの耐熱温度を越えてしまうからです。
歯ブラシといえども、部品は耐熱に特化している訳ではありません。
一般的な歯ブラシの耐熱温度は80度程度と言われていますので、熱消毒をしてしまうとそもそもの機能が果たせなくなるのです。
せっかく新しい歯ブラシを購入しても、熱消毒の影響で変形したり、壊れてしまったりしては意味がありません。
歯ブラシを“食器用漂白剤”で清潔にする
また、歯ブラシを食器用漂白剤で清潔にしようと行動してはいけません。
食器用漂白剤は、あくまでも食器や関連する物の消毒をするための製品です。
漂白対象となる物に合わせて、薬品の濃度が調合されていますから、別の場面で使用される歯ブラシは対象外になります。
加えて、使用する分量や濃度によっては、歯ブラシに付着したことをきっかけに人体に影響を及ぼす危険性があります。
歯ブラシは食器と違い、直接口の中に入りますので、ダイレクトに成分の影響を受けてしまう恐れがあるのです。
健康を損なうリスクもありますから、食器用漂白剤は使用対象になっている物にしか使用してはいけません。
歯ブラシを”消毒用アルコール”で清潔にする
最後にご紹介するのは、消毒用アルコールです。
今や日常生活に欠かせないアイテムの一つになっていますが、歯ブラシを清潔にはできません。
歯ブラシに付着しているウイルスや菌は、消毒用アルコールで消毒できないものがほとんどです。
良かれと思って使用しても、意味をなさないのです。
それよりは、歯科クリニックで教えてもらう歯ブラシの管理方法を実践した方が、確実に清潔さを保つことができます。
歯ブラシの管理方法が気になる方は、受診時に是非お声がけ下さい。
歯ブラシを保管する際にやってはいけないことは?
歯ブラシには消毒するときだけでなく、保管の際にもやってはいけないことがいくつかあります。
具体的には以下のような行動です。
・濡れたまま保管する
・1つのコップに複数の歯ブラシを保管する
・ユニットバスで保管する
・長期間交換しない
各項目について詳しく説明します。
濡れたまま保管する
歯ブラシを保管する際は、濡れたまま保管してはいけません。
しっかりと乾かさなければ、すぐに雑菌が繁殖してしまいます。
人によっては、毛先の水気を指でサッと取り除いたり、濡れたままの状態で立てて保管したりすることもありますが、こちらの習慣は早めに改善すべきです。
正しく保管するのであれば、まずブラッシングが終わった後、新しいタオルやキッチンペーパーなどを使用し、毛先の水気を吸収しましょう。
時間に余裕があるときは、ドライヤーを毛先に当て、指で触れたときに一切水が付かないくらいまで乾燥させるべきです。
1つのコップに複数の歯ブラシを保管する
ファミリー世帯では、1つのコップに複数の歯ブラシを保管することも多いかと思いますが、こちらは保管方法としては良くありません。
1つのコップに複数本を保管すると、互いの毛先が触れ合い、1つの歯ブラシを共有しているのと同じような状態になります。
また、歯周病や虫歯菌をうつしたり、うつされたりすることも考えられます。
幼い子どもの口内は、大人と比べて虫歯菌や歯周病菌が少ない状態です。
それにもかかわらず、お父さんやお母さんの歯ブラシの毛先が触れてしまうと、口内トラブルを発生しやすくなってしまいます。
ユニットバスで保管する
多くの方は、歯ブラシを洗面台で保管するかと思います。
またユニットバスの場合、洗面所と浴室が同じ空間にありますが、この場合は洗面台で保管してはいけません。
なぜなら、浴室が併設されているユニットバスは、非常に湿気が多い環境だからです。
また歯ブラシにキャップをした状態で保管する方もいますが、こちらもキャップの中に湿気が溜まるため、あまりおすすめできません。
どうしても持ち運びなどでキャップをしなければいけない場合は、歯ブラシを清潔なティッシュなどで拭いて乾かしてからフタをしましょう。
長期間交換しない
歯ブラシは、ずっと適切な方法で保管していれば良いというわけではありません。
時期が来れば交換することも大切です。
歯ブラシは、基本的に1ヶ月に1回は交換しなければいけません。
そうしなければ、清掃力は低下しますし、使い続けることで歯にダメージを与えてしまうこともあります。
もちろん、交換の時期が遅くなると、毛先の細菌も著しく増加します。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯ブラシを清潔にするためとはいえ、熱消毒をしてはいけない
・食器用漂白剤では消毒できないだけでなく、下手をすると健康を害する恐れがある
・消毒用アルコールは、歯ブラシに付着している菌に効果がない
・歯科クリニックで推奨している管理方法で、清潔な歯ブラシを目指そう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。