マルチブラケットは、ブラケットと呼ばれるボタンを歯に接着し、その上にアーチワイヤーと呼ばれるワイヤーを通して、歯並びを改善する治療法です。
非常にポピュラーな治療法であり、こちらはほとんどの歯科クリニックで採用されていますが、使用する際にはいくつか注意点があります。
今回はこちらの点について解説します。
痛みを感じやすい
マルチブラケットは、矯正装置を装着してから1~3日の間、痛みを感じやすくなります。
こちらは、器具を装着したときだけでなく、ワイヤーを交換するたびに生じる痛みであるため、注意が必要です。
また、ブラケットが頬の裏側や唇に当たることでも痛みが生じるケースがあり、こちらは口内炎の発症につながることもあります。
ただし、子どもは適応能力が高いため、このような痛みにもすぐに慣れる可能性が高く、装着に伴う痛みは、長くても装着開始から1週間程度で引いてきます。
口内ケアが難しい
冒頭で触れた通り、マルチブラケットは、ブラケットとワイヤーがセットになった矯正装置です。
そのため、形状に凹凸が多く複雑であり、ブラケットとワイヤーの間に食べ物が詰まりやすく、ブラッシングをするのも難しいです。
また、このような食べ物のカスやプラークが残ると、歯茎が腫れたり、虫歯になったりする可能性もあるため、注意しなければいけません。
もし、マルチブラケットを装着するのであれば、歯科クリニックのサポートを受けながら、歯磨き指導を行うなどして、子どもの口内の安全を守らなければいけません。
外れてしまうことがある
マルチブラケットは、食事の際にも装着する固定式の矯正装置です。
また、固定されているとはいえ、ブラケットは歯に接着されているだけであるため、硬いものなどを食べたときの衝撃により、外れてしまうことがあります。
もちろん、外れてしまった場合には、再度付け直さなければ歯を動かすことはできませんし、再接着のコストや、子どもの負担増加といった問題も出てきます。
ちなみに、硬いものや粘着性の高いものを食べていなくても、前歯で噛み切ったり、食いちぎったりといった食べ方をしていると、外れるリスクは高くなります。
まとめ
ここまで、もっとも一般的な小児矯正の方法であるマルチブラケットの注意点を見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
多くの方に選ばれているマルチブラケットですが、決してデメリットがないわけではありません。
使用上の注意点を把握し、歯科クリニックの指導に則った食事やメンテナンスを実践することにより、本来の効果を発揮します。
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