妊娠中は、唾液の分泌量が低下したり、病原菌が活発になったりすることにより、口内環境が乱れがちになります。
そのため、毎日の食事に気を遣い、身体への影響、これから生まれてくる赤ちゃんへの影響を最低限に抑えなければいけません。
ここからは、妊娠中の食事における工夫について解説します。
塩分を控える
妊娠中の食事では、極力摂取する塩分を控えるべきです。
塩分を摂りすぎることは、むくみや高血圧、ひいては赤ちゃんの栄養不足や酸素不足につながります。
また、塩分の濃いものは味覚を鈍らせ、過食や口内環境悪化のリスクを高める可能性もあります。
そのため、妊娠中の食事では、味の濃い旬の野菜を採り入れたり、調味料を最後に必要な分だけかけたりすることで、塩分の摂取量を抑えるべきです。
十分な栄養素を摂取する
妊娠中の食事では、口内環境が乱れてしまわないよう、十分な栄養素を摂取することも大切です。
妊娠中は、悪阻(つわり)によって食欲が湧かないことも多いですが、きちんと栄養素を摂取しなければ、口内炎や虫歯、歯周病といった症状のリスクは高くなります。
具体的には、歯の石灰化を促す栄養素であるカルシウム、リンなどの摂取をおすすめします。
これらの栄養素は、乳製品や小魚などに豊富に含まれています。
また、魚介類や卵、野菜類などに含まれているビタミンA、C、Dも積極的に摂取することで、母子ともに健康を維持しやすくなります。
噛み応えのある食事を摂取する
妊娠中の食事では、噛み応えのある食事を摂取することも意識してください。
冒頭で触れたように、妊娠中は唾液の分泌量が減少する傾向にあります。
唾液には、口内の汚れなどを洗い流す自浄作用があり、こちらが減少するとさまざまな口腔内のトラブルにつながるため、できる限り噛み応えのある食事を摂り、咀嚼回数を増やすことで、唾液腺を刺激しなければいけません。
例えば、噛み応えを出すために、野菜や肉の素材を活かした調理法にするだけでも、大幅な唾液量の増加が見込めます。
また、いつもより少し食材を大きめにカットするだけでも、噛む回数は増え、妊娠中の口内環境は良くなります。
まとめ
ここまで、妊娠中の食事におけるさまざまな工夫について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
体調などの問題から、妊娠中に規則正しい食事を摂るのは大変ですが、こちらは安全な出産のために必要不可欠なことだと言えます。
また、妊娠中に口内トラブルが起きてしまった場合には、早急に歯科クリニックに相談し、マタニティ歯科の治療を検討してください。
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