インプラント手術後に注意したい行動について

インプラント手術が完了すれば、しっかりと自身の歯に近い感覚で噛むことができ、会話もハキハキと行うことが可能です。

しかし、インプラント手術後の生活では、さまざまな行動に注意する必要があります。

今回は、特に注意していただきたい行動とその理由について解説したいと思います。

インプラント手術直後の食事や会話

インプラント手術は念入りに麻酔を効かせて行う手術であるため、術後すぐはまだ麻酔が効いている可能性があります。

具体的には、術後1時間以上経っても、麻酔が効いていることが考えられます。

また、このような場合、口の中の一部の感覚が麻痺していることにより、うまく話せなかったり、唇が閉じられなかったりすることがあります。

このような状況で、食事を摂ったり、人と会話したりすると、誤って舌や口内の粘膜を噛んでしまうことにつながるため、注意しなければいけません。

薬の服用

インプラント手術を受けた後には、鎮痛剤や抗生物質、消炎酵素剤などの薬が服用されることがありますが、これらには服用するタイミングや用法、用量があります。

例えば、鎮痛剤は痛み止めの役割の他、手術箇所の炎症を抑える働きがあるため、痛みが出たタイミングで服用しなければいけません。

また、抗生物質は決められた時間に継続して服用することで効果を発揮するため、処方された分量は飲み切る必要がありますし、消化酵素剤も、決められた用法・用量で服用しなければ、化膿や腫れを抑えることができません。

つまり、自分の感覚で薬の服用をやめてしまったり、多めに服用したりしてはいけないということです。

MRI検査

MRI検査を受ける際、時計などの金属類は必ず外さなければいけません。

こちらは、金属が強力な力でMRI装置に引き付けられたり、発熱して火傷につながったりするおそれがあるからです。

インプラント手術で埋め込まれる素材は基本的にチタンもしくはチタン合金であり、こちらは磁力に影響しないため、MRI検査を受けても支障をきたしませんが、危険なのは磁石による入れ歯でインプラントを使用する治療法を選択した方です。

こちらを装着している方は、MRI検査によって前述のようなトラブルが生じる可能性があるため、避けなければいけません。

ブラッシング

インプラント手術後1週間~10日ほどは、治療箇所を直接ブラッシングしてはいけません。

歯ブラシによる刺激は、傷口が治るのを遅らせる可能性があるからです。

ただし口内を清潔に保つことは重要であるため、ブラッシングをしなくても良いというわけではありません。

治療した箇所以外については、これまで通り丁寧に磨きましょう。

このときには、毛先のやわらかい歯ブラシを使用するのがポイントです。

やわらかいものであれば、少し患部の近くに触れたくらいでは、それほどダメージを受けない可能性が高いです。

またうがい薬を使用し、口内環境を維持することも大切です。

うがいをするときは、軽く口内をすすぐ程度にし、ブラッシングと同じく治療箇所に刺激を与えないように注意してください。

飲酒、喫煙

インプラント手術後1週間は、飲酒や喫煙を避けなければいけません。

アルコールを摂取すると血行が良くなるため、治療箇所の出血や痛みにつながります。

またタバコは歯茎の血行を悪くし、傷の治りを遅くさせるだけでなく、化膿も引き起こしかねません。

インプラントが定着する可能性をより高めたいのであれば、術後8週間程度は禁煙した方が良いとされています。

ちなみにタバコは歯周病の原因にもなるため、できればインプラント手術をきっかけに禁煙することをおすすめします。

睡眠

インプラント手術を受けた後は、なるべく安静に過ごすために、しっかり睡眠を取らなければいけません。

睡眠は活発な身体活動を沈静化させるだけでなく、傷の治りを良くしてくれる効果もあります。

もし可能なのであれば、仕事も休みを取って自宅でゆっくりリラックスしましょう。

また先ほどインプラント手術後はアルコールを取らない方が良いと言いましたが、こちらは睡眠にも影響を及ぼします。

アルコールには、一時的な覚醒作用をもたらす効果があり、睡眠の質を低下させてしまうおそれがあります。

運動、入浴

インプラント手術後1週間は、激しい運動も控えるべきです。

特にランニングや走り続ける球技などについては、血行の促進から来る傷口の痛みや出血のリスクを高めます。

ウォーキングなどの軽い運動であっても、手術から2~3日は避けた方が良いでしょう。

マッサージやストレッチ、サウナなど一般的には運動とは呼ばないものであっても、手術から数日間は避けるのが無難です。

また運動と同様に避けるべきなのが、入浴時にしっかりと湯船に浸かることです。

入浴にも血行の促進効果があり、治療箇所が激しく痛んだり、血が止まらなくなったりする原因になり得ます。

ちなみに湯船にお湯を張って浸かるのはNGですが、シャワー程度であれば、インプラント手術から数日間の期間でも浴びることが可能です。

まとめ

ここまで、インプラント手術後に注意したいさまざまな行動について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

インプラント手術を行えば、当然口内には傷ができますし、天然歯に近い感覚とはいえ、口内には異物が残ることになります。

手術前よりも快適な生活が送れる可能性は極めて高いですが、インプラントを埋め込んでいるということについては、常に意識して生活すべきだと言えます。

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