インプラントは、健康な歯を削らず、見た目の良い人工歯を装着することができる治療であり、なおかつ咀嚼能力も通常の入れ歯より優れています。
しかし、他の歯に比べて、前歯はインプラント治療を行うのが難しいとされています。
今回は、こちらの理由について解説したいと思います。
顎の骨が薄い
前歯のインプラントを行うのが難しい理由としては、まず顎の骨が薄いことが挙げられます。
インプラントの土台であるインプラント体は、直接顎の骨に埋入します。
それに伴い、顎の骨には大きめの穴を開ける必要があります。
しかし、前歯を支える顎の骨は、奥歯などと違って薄く、痩せやすいという特徴を持っています。
そのため、事前に骨再生治療などを実施しなければ、インプラント体の安定感が足りず、うまく定着しない可能性があります。
見た目に気を遣う必要がある
前歯のインプラント治療が難しい理由としては、特に見た目に気を遣わなければいけない箇所であることも挙げられます。
前歯とは、正確には犬歯(八重歯)と呼ばれる尖った歯から、反対側の同じ歯までの6本(上下あわせて12本)を指しています。
また、これらの歯はいずれも外から見えやすいため、最大限まで審美性の高い見た目にしなければ目立ってしまいます。
具体的には、以下のようなポイントをすべて抑え、審美性の高いインプラントにする必要があるため、治療にはとても高い技術が求められます。
・隣接する歯と左右対称にする
・歯と歯の間の三角の歯茎(歯間乳頭)がある
・人工歯の根元の金属を露出させない
・歯茎に金属部分が透けて見えないようにする
・歯茎の縁のボリュームや高さを自然にする
治療費が高額
前歯のインプラント治療が難しい理由としては、治療費が高額であるということも挙げられます。
前歯の顎の骨が極端に薄かったり、不足していたりする場合、インプラント治療を行う前に、骨再生や骨造成といった手術を行わなければいけません。
また、これらの手術は、インプラント治療と同じく保険の適用外であり、必然的にトータルの治療費は高額になります。
ちなみに、前述の通り前歯のインプラント治療は難易度が高いことから、インプラント治療の費用そのものが高く設定されている場合もあります。
まとめ
ここまで、歯科クリニックにとっても患者さんにとっても、前歯のインプラント治療が難しい理由について解説してきました。
前歯のインプラントは難易度が高いですが、決して不可能なわけではありません。
また、もしインプラント治療が難しかったとしても、ブリッジや入れ歯など、他の選択肢が存在するため、まずは歯科クリニックに相談することをおすすめします。
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