海外旅行中に虫歯になったら治療しに行くべき?

コロナ禍から数年経ち、海外旅行への動きが緩和されつつありますが、旅行先で虫歯になった時はどうしますか?

日本の場合だと、症状が酷い時は近くの歯科クリニックで応急処置をしてもらえます。

海外の場合では、どうなのでしょうか?

ここでは、海外旅行中に虫歯になったら治療しに行くべきかについてお話しします。

海外旅行中の虫歯治療は避けるべき

海外旅行中、突然虫歯になってしまったとしても、可能なら現地の歯科クリニックでの治療は避けるべきです。

その理由は、海外の医療費の高さにあります。

日本は社会保険が充実しているため、虫歯の治療も比較的安価なのです。

ですので、症状の程度にもよりますが、帰国するまで口内を清潔にしたり、鎮痛剤を服用したりするのがベストな対応になります。

海外の虫歯治療費について

先ほども触れたように、日本以外の国は虫歯治療にかかる費用がとても高額です。

例えば重度の虫歯に適用される根管治療の費用は、日本が約6,000円であるに対し、海外諸国は以下のような金額になっています。

・ドイツ:約14,000円
・フランス:約43,000円
・カナダ:約52,000円
・イギリス:約92,000円
・アメリカ:約108,000円

国によっては、日本の10倍以上の虫歯治療費がかかる場合もあります。

また、日本の場合は自己負担が原則3割であるのに対し、海外では全額負担しなければいけないことも考えられます。

海外旅行先で、これほどの出費に耐えられる方はなかなかいません。

海外旅行保険で虫歯治療の費用はカバーできるのか?

海外旅行に行く前に、海外旅行保険に加入される方が多いです。

海外旅行保険は、旅行先で怪我や病気になった際に治療費の補償がされますから、高額な治療費の支払いへの備えになります。

しかし、海外旅行保険の中に虫歯治療が含まれていないこともありますので、保険内容を確認した上で加入するようにしてください。

現在、海外旅行保険でも歯科治療が対象となっているのは、緊急歯科治療費用(特約)や歯科治療費用(特約)がある場合になります。

どちらも、一般的な保険内容である「治療・救援費用」に歯科治療関係の保障が含まれていないことから設けられた項目になります。

よって、歯科治療もカバーできる補償を事前に付け加えると、急な虫歯への治療や応急処置で発生した費用にも対応できます。

補償内容や金額に関しては、保険会社によって違いがありますので、安心できる内容を選ぶようにしましょう。

海外旅行中に虫歯が痛むときにやってはいけないこと

海外旅行中に虫歯が痛んだ場合は、鎮痛剤などで対処することになります。

また、痛い部分をなるべく冷やすことも大切です。

逆に入浴で身体を温めたり、アルコールを飲んだりすると、血管の膨張が起こって血流が増大し、痛みが増すおそれがあります。

激しい運動にも同様の作用があるため、虫歯が痛み際には避けるのが無難です。

その他、痛い部分を歯ブラシで刺激しないように注意しましょう。

食事の際にも、なるべく痛む歯では噛まないことが望ましいです。

海外旅行前に虫歯になった時に頼れる歯科クリニックを探しておく

海外旅行前に旅行先で受診できそうな歯科クリニックを探しておくことも、虫歯の不安を和らげる方法になります。

海外の場合、歯科クリニックの予約が必要なだけでなく、何年先も予約待ちが発生していることがあります。

さらに、現地の言語に不慣れだと、治療をしてもらっても説明が理解できないまま終わってしまう可能性があります。

事前に日本語の対応が可能だったり、加入している保険会社と提携していたりする所がないかを探しておくことをお勧めします。

1番良いのは、海外旅行前に虫歯を発見し、治療を済ませておくことです。

トラブルがなくても、念のため海外旅行前に歯を診てもらいましょう。

海外旅行前の歯科検診について

先ほど少し触れましたが、海外旅行前には歯科クリニックで歯科検診を受けるべきです。

こちらは渡航が決まった段階で、早めに受けることをおすすめします。

具体的には虫歯や歯周病のチェック、どこにプラークが付きやすいのかのチェック、プラークや歯石の除去などを行います。

また、早めに歯科検診を受けた方が良い理由は、虫歯があったとき早急に治療を済まさなければいけないからです。

例えば渡航の1ヶ月前に歯科クリニックを訪れ、虫歯があることが発覚し、その治療に2ヶ月かかるとします。

このようなケースでは、虫歯治療が途中の段階で海外旅行に行くことになります。

虫歯治療中に飛行機を利用するのは危険

海外旅行先へは主に飛行機を使って移動しますが、虫歯治療が途中の段階で飛行機を利用すると、歯が痛む可能性があります。

虫歯治療中、飛行機に乗ることで歯が痛む要因はいくつかありますが、主な原因は気圧の変化です。

飛行機内の気圧は、地上と比較すると20%程度低く設定されています。

大体標高2,000m程度、富士山の5合目くらいの気圧です。

気圧が変化すると、虫歯治療中の方が患部に詰めている薬が漏れ出し、しみるような痛みが発生することがあります。

また気圧が低くなると、歯の中に含まれている空気が膨張します。

こちらは、歯髄腔という空洞の中に含まれる空気が膨張するもので、薬が漏れ出したときと同じように痛みが発生します。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・海外旅行中に虫歯トラブルが発生した場合、可能なら旅行先での治療は避けるべき

・海外旅行保険に加入する時は、歯科治療の費用もカバーできる内容を加えておく

・海外旅行前に受診できそうな歯科クリニックを探しておく

・1番良いのは、海外旅行前に歯科クリニックで虫歯を確認、治療を済ませること

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。

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