虫歯になりやすいのは、子どもだけではありません。
高齢者にも、そのリスクが潜んでいるのです。
さらに、虫歯になったことは認知症にも影響してきますから、歯の健康だけに留まりません。
衰えが見られるからこそ、注意したいですよね。
今回は、高齢者が虫歯になりやすい理由と、認知症との関係性について解説しましょう。
高齢者が虫歯になりやすい背景~口内の衰えから~
高齢者が虫歯になりやすい理由の一つに、歯茎の衰えが関わっています。
若い世代だと、歯茎がしっかりしていて下がってくることはありませんよね。
しかし、年齢を重ねるにつれて、歯茎はどんどん緩んできてしまうのです。
歯茎が緩んでくると、見た目的には歯の根元が今までより目立ってくることになるでしょう。
この歯の根元部分が、虫歯に狙われやすいのです。
例え根本の部分であっても、「歯」だからケアしていれば大丈夫と思ってしまいますよね。
ですが、根元の部分には、歯の表面にある「エナメル質」のコーティングがされていないのです。
なぜかと言うと、根元部分は本来歯茎で隠れていますから、コーティングしなくても守られているからです。
一般的な状態ならば問題なくても、根元が見えるような状態だと危険ですよね。
最初はパッと見て変化が分からなくても、徐々に歯の根元の部分が見えてくるようになってきます。
咀嚼等に問題があると思われがちですが、自分の歯がきちんと揃っていても油断できません。
高齢者の虫歯が認知症と関係しているワケ
さらに、高齢者の虫歯は、認知症になりやすい状態にも繋がるのです。
私たちの体は、できるだけ痛みから遠ざけようと反応することがありますよね。
例えば、スポーツ選手が試合中に怪我をした場合、怪我した箇所をかばって行動することがあるでしょう。
これと同じような現象が、虫歯でも起こり得るのです。
虫歯になった歯に刺激を与えないよう、かばうように咀嚼をする機会が多くなりますよね。
その結果、噛む回数や力が弱くなってしまい、脳への刺激が届きにくい状態になってしまうのです。
必ず認知症になるとは断言できませんが、そのリスクは通常時よりも高くなるでしょう。
脳への刺激が少なくなるということも、虫歯になって生じる弊害です。
そうなると、その後の虫歯予防が満足にできない場合もありますから、歯科クリニックで定期的に検診を受けるようにしたいですね。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・高齢者が虫歯になりやすい理由は、歯茎が下がり、歯の根元が見えることにある
・歯の根元は、エナメル質のコーティングがされていないため、虫歯菌に弱い
・虫歯になった結果、痛みを避けるように咀嚼するようになる
・咀嚼が十分でないと脳に刺激が少なくなり、認知症のリスクが高くなる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。