子どもの床矯正は、入れ歯のように床がある装置を使用し、顎のスペースを広げ、凸凹した歯並びを矯正するという方法です。
痛みが少なく、取り外し可能なことから子どものストレスも軽減できますが、こちらの矯正治療には注意点もあります。
今回はこちらの点について詳しく解説します。
適用できない場合がある
子どもの床矯正は、以下のような歯の移動を行うことができません。
・歯並びの細かい調整
・根元から大きく歯を移動させる
・重症度の高い歯列不全の改善 など
床矯正は、顎の骨の幅を広げるのが主な機能です。
そのため、ワイヤー矯正のように歯並びを細かく整えたり、歯を根元から大きく移動させたりすることはできません。
また、極端に歯並びが悪い症例にも、床矯正は不向きだと言えます。
発音が不明瞭になりやすい
子どもの床矯正は、矯正装置の違和感や舌の動きが制限されることから発声しづらくなり、滑舌が悪化することがあります。
特に、装置を付け始めた頃は制限される舌の動きに慣れず、話しづらさを感じる場面が増えやすいです。
また、話しづらいだけでなく、不明瞭な発音を聞き取ってもらえないことが、子どものストレスになることも懸念されます。
子どもは適応能力が高いため、このような違和感には最初の1~2週間程度で慣れることも多いですが、一時的とはいえ、負担を増やしてしまうことは事実です。
後戻りの可能性がある
後戻りとは、矯正治療によって動かした歯が、元の位置に戻ってしまうことをいいます。
矯正治療が終わったばかりの歯並びは、とても不安定な状態です。
そのため、床矯正によって歯並びを改善することができたとしても、普段の食事や歯ぎしり・食いしばり、舌で前歯を押すなどの悪い癖により、歯並びが元に戻ってしまうことがあります。
こちらは、床矯正に限ったことではありませんが、矯正治療の後は歯並びを固定させるために、リテーナーという装置を装着し、保定期間を設けなければいけません。
つまり、小児は後戻りを防ぐために、矯正治療が終わった後も、ある程度制限のある日常生活を送らなければいけないということです。
まとめ
ここまで、子どもの床矯正における注意点について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
床矯正は、小児矯正の中では比較的安価であり、メリットも多いことから、勧められるがまま、安易に治療を決めてしまう親御さんも多くいます。
しかし、実際子どもに治療を受けさせる際には、注意点についても把握し、他の矯正治療と比較した上で、もっとも適していると判断できるものを選ばなければいけません。
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