インプラント直後の食事における注意点を解説します

インプラントは、永久歯を失った箇所に金属製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を装着する治療法です。

しっかり定着すれば、咀嚼力や審美性のアップが期待できますが、術後すぐは日常生活、特に食事の仕方に注意しなければいけません。

今回は、インプラント直後の食事における注意点を解説します。

摂取する食べ物について

インプラントを受けた直後は、施術箇所の安定感がないため、食事を摂る際には硬いものをなるべく避けなければいけません。

具体的には、せんべいやナッツ類、スルメやフランスパンなどの食べ物は摂取しないようにしましょう。

また、熱いものや冷たいものも、インプラント後の食事では避けるのが無難です。

インプラントの直後は、口内にある程度の傷跡が残ります。

そこに熱いものや冷たいものが当たると、強い痛みにつながったり、炎症が起こったりすることがあるため、注意しなければいけません。

例えば、お粥や汁物などは十分に冷まし、アイスコーヒーなどの冷たい飲み物は、なるべく常温に近い温度で飲むことをおすすめします。

その他、口内への刺激が強い食べ物も、インプラント後の食事では摂取すべきではありません。

カレーなどの辛い食べ物、酸味の強いレモンなどは、傷口の腫れや痛み、出血につながります。

咀嚼の仕方について

インプラント直後の食事では、咀嚼の仕方についても気を付けなければいけません。

まず、麻酔が切れるまでの間は、唇を噛んでしまう可能性があるため、咀嚼すること自体を控えるべきです。

ほとんど噛まずに摂取できるゼリーやヨーグルト、おかゆなどは摂取可能です。

また、インプラントの治療を受けて2~3日の間は、手術をしたのと反対側の歯で咀嚼し、人工歯根を定着しやすくすることも大切です。

アルコールについて

インプラント直後の食事では、アルコールの摂取も控えるべきです。

アルコールを摂取することにより、血流が良くなるため、手術箇所から出血してしまったり、傷口が腫れたりする危険性があります。

また、傷口の回復のために使われるべき酵素などのエネルギーが、アルコールの分解のために使われてしまい、なかなか傷口が治らなくなることも考えられます。

そのため、今まで毎日お酒を飲んでいたという方も、術後1週間程度は摂取しないようにしましょう。

おすすめの食事について

先ほどインプラント直後に食べない方が良いものについて解説しましたが、逆におすすめの食事としては、やはりやわらかく噛みやすいものが挙げられます。

具体的にはおかゆや煮込みうどん、雑炊やゼリー、ヨーグルトなどです。

また、傷口の回復を促進する栄養素が多く含まれたものもおすすめです。

例えば豆腐や小松菜、ホウレンソウや鶏肉などについては、カルシウムやタンパク質が豊富であるため、治療直後の食事としては適しています。

さらにレバーや海鮮、カボチャなど、ビタミンや亜鉛が多く摂取できる食事も積極的に摂取すべきです。

食事が開始できる時期について

インプラント治療の直後とは、治療から数時間経過したタイミングのことを指しています。

つまり治療から数時間経過し、麻酔が切れたタイミングでなければ、たとえインプラントに優しいものでも摂取できないということです。

こちらは、麻酔の効果が残っているため感覚がなく、頬を噛んで傷をつけてしまうおそれがあるからです。

そのため、インプラント治療の当日はその点を考慮し、治療前の段階で食事を済ませておかなければいけません。

どれだけ空腹であっても、治療後数時間は食事を摂ることができないからです。

いつから自然に食事ができるようになる?

食事を摂ることが好きな方は、インプラント治療からどれくらい経過すれば、自然に食事ができるようになるのか気になっている方もいるでしょう。

治療から半年ほど経過すれば、歯茎にインプラントの土台が定着するため、硬いものでも自然に食事が楽しめるようになります。

またインプラントの場合、入れ歯と違って食感を歯茎で感じることができるため、食事の満足感は非常に大きいです。

ただしインプラントが定着しても、隙間に食べ物が挟まって細菌感染などのトラブルを起こすこともあります。

そのため、半年に一度は歯科クリニックでメンテナンスを受けましょう。

インプラント治療後に注意すべき食事以外のポイント

インプラント治療後は、食事以外の日常生活における行動にも気を付けるべきです。

例えば身体を温めること、患部への刺激になることから、運動はしばらく控えてください。

控える目安としては、ウォーキングなどの軽い運動が術後2~3日、筋トレや水泳などの激しい運動が術度1週間程度です。

また入浴に関しても、治療当日は控えましょう。

短時間のシャワーは構いませんが、湯船にゆっくり浸かると血行が促進され、患部の治りが悪くなってしまいます。

さらにブラッシングについては、できる限りインプラントの部分を避けなければいけません。

ブラッシング後のうがいについても、強く行えば患部を刺激することにつながります。

まとめ

ここまで、インプラント直後の食事における注意点を解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

インプラントは、原則保険が適用されない治療ですし、治療開始から終了までにはある程度の期間を要します。

そのため、術後の日常生活が原因で、高額な治療費や時間を無駄にしてしまわないように、意識を高める必要があります。

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