保険が適用されない自由診療の入れ歯の種類とは?

入れ歯には、保険が適用される保険診療のもの以外に、保険が適用されない自由診療で製作する入れ歯があります。

保険が適用されないものは自由度が高く、様々な種類があるのですが、具体的にはどのようなものがあるのでしょうか?

代表的な自由診療の入れ歯について、解説します。

入れ歯の床の違い

入れ歯の上顎と接する部分のことを、床(土台)といいます。

保険診療では、この床が歯科用プラスチックのレジン製のものしかないのですが、自由診療で製作できる入れ歯には様々な種類があります。

まず、床を金で作ったゴールド床の入れ歯というのがあります。

金で作るメリットとして、金属アレルギーの方でも使えることが多く、身体にも影響しない点が挙げられます。

また、金は腐食したり変色したりすることが無いので、長期間の使用が可能です。

安全性の高いチタンで床を製作する、チタン床入れ歯もあります。

チタンは生体との親和性が高く金属アレルギーにも反応しにくいため、身体に埋め込まれるインプラントの土台にも使われている素材です。

義歯素材としてよく使われる、コバルトクロム床の入れ歯もあります。

他の金属床よりは比較的安価な素材で、長い歴史があるため安心して使うことが出来る素材です。

金属床以外の自由診療の入れ歯

自由診療になっている入れ歯には、金属床以外のものもあります。

例えば、見た目はレジン床の入れ歯と似ていますが、一部にシリコンを使用しているシリコン入れ歯などがあります。

シリコン入れ歯の特徴としては、レジンよりも柔らかいため噛む時に痛みが生じにくいという点が挙げられます。

入れ歯では噛みづらい硬いものも、しっかりと噛むことが出来るのです。

また、樹脂で製作しているノンクラスプデンチャーというものもあります。

薄くて軽い仕上がりで弾力性もあるため、装着していても違和感が少なく、金属を使用しないため金属アレルギーの不安もありません。

部分入れ歯の中でも、入れ歯と残っている歯の両方に磁石を取り着けて装着するマグネットデンチャーというものがあります。

磁石が吸着するため安定性に優れ、装着時の違和感もあまりないのが特徴です。

自由診療の入れ歯の費用相場

自由診療の入れ歯の費用相場は、約15万~80万円です。

こちらは部分入れ歯、総入れ歯の両方を含みます。

自由診療は保険診療のように一律の決まりや制限がないため、歯科クリニックや治療範囲、入れ歯の種類や立地条件などによって大幅に治療費が異なります。

具体的には、前述したシリコン入れ歯が約10~50万円、ノンクラスプデンチャーが約80,000~30万円、マグネットデンチャーが磁石1個あたり約30,000~50,000円です。

決して安い金額ではありませんが、場合によっては保険診療の入れ歯とそれほど変わらない費用で作製できる可能性もあります。

ちなみに保険診療の入れ歯は、部分入れ歯が5,000~10,000円程度、総入れ歯が10,000~15,000円程度で作製できます。

こちらは患者さんの3割負担の場合です。

自由診療の入れ歯が保険診療と比べて高い理由

自由診療の入れ歯が保険診療の入れ歯と比べて高額なのは、使用できる材料や作製に必要な技術などが異なるからです。

保険診療の入れ歯で使用できる材料は、費用の関係上制限がかかります。

一方自由診療の入れ歯では、入れ歯の金属にゴールドやチタン、コバルトクロムといった性能の高い金属を使用できます。

その代わり、金額は高めになります。

また自由診療の入れ歯を作製する場合、治療内容についての理解はもちろん、専用の道具を用いた特殊な技術が必要になります。

つまり専門的な知識や技術、経験を持った歯科医師と歯科技工士が時間をかけて作製するため、治療費も技工費用も高くなるということです。

ただし自由診療の入れ歯は高いだけでなく、前述の通り快適に使用できますし、リカバリー面でも保険診療の入れ歯と比べて優れています。

そのため、決してコストパフォーマンスが低いというわけではありません。

自由診療の入れ歯をなるべく安く作製するには?

自由診療の入れ歯をできるだけ安く作製するには、デンタルローンや医療費控除の利用がおすすめです。

デンタルローンは、歯科クリニックで自由診療の診察を受ける場合に利用可能な支払い方法の一種です。

収入が安定している方であれば審査に通る可能性が高く、利用できれば自由診療の入れ歯を作製する際の費用を抑えることができます。

また入れ歯もインプラント治療などと同様に、医療費控除の対象になることがあります。

医療費控除は、患者さん自身や家族のために支払った医療費の一部について、所得税から控除できる制度です。

歯科クリニック以外で受けた治療も含め、年間10万円以上を超えたものに適用され、控除を受けた金額に応じて所得税が軽減または還付されます。

作製しようとする自由診療の入れ歯が医療費控除の対象になるかどうかは、事前に歯科クリニックで確認しておきましょう。

まとめ

保険が適用されない自由診療で製作する入れ歯は、費用が高額になるものの、保険診療で製作できるものの欠点をある程度カバーすることが出来るため、着け心地が良く、入れ歯の違和感も少なくなります。

一度製作したら長い間使うことになる入れ歯なので、多少の費用がかかっても快適に使えるものが良い、という人は多いでしょう。

費用と使い心地のどちらを取るか、よく検討してください。

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