花粉症の治療法として、免疫療法を行うことがあります。
花粉症に悩まれている患者様からすると、毎年の悩ましい症状から解放される方法の一つです。
しかし、花粉症の免疫療法を行っている最中は、歯科治療ができないことがあるのです。
今回は、免疫療法中の歯科治療の注意点についてお伝えします。
花粉症の免疫療法薬と歯科治療の関係
花粉症で免疫療法薬を服用する場合、舌下投与で花粉の飛んでいない時期も含めて、毎日服用していきます。
その有名な薬の一つに、“シダキュア”があります。
シダキュアの使用上の説明にも記載されていますが、花粉症治療として薬を使用している時、歯科治療、特に外科手術前には医師に相談しなければなりません。
これは、歯科クリニック以外の診療科の治療にも言えることです。
歯科治療時に用いられる薬が体内に入り込み、強いアレルギー反応を起こした結果、窒息してしまうリスクがあるのです。
歯科治療の中でも、外科治療が必要となる抜歯時は注意しなければなりません。
歯科クリニックでは、治療時のトラブル回避のために服用中の薬を聞くことがあります。
免疫療法薬の服用の事実も、治療を安全に終わらせるために必要ですから、忘れずに伝えておくべきです。
花粉症の免疫療法薬の服用から歯科治療の計画を考える
花粉症の免疫療法で歯科治療を検討されている患者様の中には、服用している以上治療が受けられないのでないかと思う方もいると思います。
ですが、きちんと歯科クリニックに相談すると、安全に治療を受けられる方法を提案してくれますから、ご安心ください。
治療内容にもよりますが、必要があれば免疫療法薬の一時的な休薬で対応できることもあるでしょう。
しかしながら、休薬する場合は治療のため受診した歯科クリニックだけでなく、免疫療法薬の処方をしている耳鼻科などかかりつけ医の判断も必要になります。
歯の治療が必要だからと勝手に休薬されてしまっては、花粉症の治療にも影響が出てしまいます。
免疫療法薬による治療は、数年かかることがほとんどで、かかりつけ医の判断に任せられます。
花粉症も歯の治療も、どちらも日常生活を送る上で大切ですから、安全に治療を受けるための環境を医師任せにせず、患者様も主体的に作っていきましょう。
歯科クリニックも状況を踏まえた上で、適切な治療を行います。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・花粉症の免疫療法薬服用時に歯科治療を行うと、窒息するリスクがある
・特に外科手術を行う際は、注意が必要
・薬を服用しているからといって、歯科治療が全くできなくなるわけでない
・休薬などで対応できる場合もあるため、かかりつけ医への相談を忘れないようにする
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。