虫歯予防に役立つキシリトール製品には、ガムやタブレットなどがあります。
しかし、予防効果を重視するなら、キシリトール製品にも選ぶべきポイントがあるのです。
これを見落としてしまうと、食べても効果が得られないということになりかねません。
キシリトール製品を選ぶポイントには、何があるのでしょうか?
虫歯予防を害する酸性物をキシリトール製品が含んでいないか
虫歯予防に効果的なキシリトール製品であっても、含まれている成分によっては予防効果が失われてしまうことがあります。
その代表例が、酸性物です。
例えば、柑橘系で、クエン酸が含まれている製品が挙げられます。
クエン酸を始めとする酸性物は、歯の表面のエナメル質を溶かす恐れがあり、そこから虫歯が発生することもあり得ます。
そのため、酸性物が含まれていない製品を選ぶのがベストです。
成分名の表記を見るだけでなく、パッケージに“果汁入り”の記載がある場合は、避けた方が無難です。
虫歯予防のキシリトール製品のキシリトールが高濃度
虫歯予防のためのキシリトール製品は数多くありますが、どれも同じくらいの分量でキシリトールが含まれているわけではありません。
予防に向いているのは、キシリトールの含有率が50%以上になります。
市販品の中には、条件を満たしている製品があれば、含有率が50%未満の製品もあるのです。
よって、含有率も確認しなければなりません。
含有率を確認する際は、以下の式にそれぞれの数値を当てはめましょう。
・キシリトール(g)÷炭水化物(g)×100
歯科クリニックで取り扱っているキシリトール製品は、含有量の高い物ばかりです。
含有率で迷った時は、歯科クリニックで購入するのも一つの方法になります。
虫歯予防には“シュガーレス”のキシリトール製品を選ぶべき
虫歯予防の大敵は糖分ですが、キシリトール製品に含まれている場合があります。
そうなると、キシリトールでせっかく予防効果を高めようとしても、虫歯菌が好む環境になりやすく、予防効果を発揮できません。
ですので、“糖類0g”や“シュガーレス”の記載のある製品を選ぶようにしてください。
手軽に購入できるキシリトール製品でも、ポイントを押さえた上で選ぶと虫歯リスクを効果的に抑えることができます。
もっと詳しい情報を知りたい患者様は、歯科クリニックに聞いてみましょう。
キシリトール製品では味や価格にも注目すべき
キシリトール製品を選ぶ際は、味や価格にも注目しなければいけません。
ある程度継続して摂取することが大切なキシリトール製品は、自身の好みの味でなければ途中で摂取しなくなるおそれがあります。
そのため、酸生物配合のものは避けつつ、なるべく自身が好きなフレーバーのものを選ぶべきです。
また継続するという意味では、製品の価格も大事になってきます。
あまりにも高額な製品については、継続するのにコストがかかり、経済状況を圧迫する可能性があります。
コストパフォーマンスが高いものを選ぶことで、お財布にも優しいです。
ちなみに同じ効果が期待できる製品でも、価格は異なる場合があります。
キシリトールガムの正しい摂取方法
代表的なキシリトール製品としてはやはりガムが挙げられますが、こちらは正しく摂取しなければいけません。
効果的に摂取するには、タイミングと噛む時間が重要です。
摂取のタイミングとしては、食後や就寝前、特にブラッシング前に摂取することが推奨されます。
またガムは最低でも5分できれば10分以上噛み続けることで、唾液の分泌量が増加し、虫歯予防効果が最大化されます。
もちろん、これらの習慣は毎日実践することが望ましいです。
毎日継続できれば、大きな虫歯予防効果が期待できます。
キシリトールの1日あたりの摂取量
キシリトールの1日あたりの摂取量は、5~10gが目安です。
この量は、キシリトールガムでいうと4~8個くらいです。
またこの量を一度に食べるのではなく、1日3~4回程度に分けるのが望ましいです。
ちなみにキシリトールを摂取しすぎると、下痢や腹痛などを引き起こすことがあります。
キシリトールは小腸で吸収されにくいため、水分を吸収し腸内の水分量を増やしてしまい、下痢や腹痛につながります。
妊娠中にキシリトールを摂取しても大丈夫?
妊娠中の方であっても、キシリトールは基本的に摂取できるとされています。
妊娠中は口内環境が荒れがちになるため、キシリトール製品の摂取はとても効果的です。
また過去の研究では、妊娠中の方がキシリトールガムを継続して噛むことにより、赤ちゃんが生まれてから虫歯菌に感染しにくくなるという報告もあります。
こちらは、お母さんの口内の虫歯菌を減らすことで、唾液などを介した母子感染リスクが低下するからです。
ちなみにキシリトール製品に含まれる香料や甘味料、食品添加物の中には、妊娠中の方に向かないものもあるため、注意が必要です。
さらに、虫歯予防のためとはいえ、過剰摂取は禁物です。
もし摂取するのが心配なのであれば、事前に歯科医師や産婦人科医に相談すると良いでしょう。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯を溶かしてしまう酸性物を含んでいないかどうか
・虫歯予防効果を高めるには、キシリトール高濃度のキシリトール製品を選ぶ
・歯科クリニックでの専売品は、キシリトール含有率が高い製品ばかり
・虫歯菌の好物である糖分をなくすため、シュガーレスの製品を選ぼう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。