安定感を重視した入れ歯が欲しい、と考えている患者様はいませんか?
入れ歯を装着するにあたって、違和感があることがあります。
ですが、違和感を限りなくなくすることができる入れ歯があるのです。
それが、マグネットデンチャーです。
本記事では、マグネットデンチャーの入れ歯の特徴について解説しましょう。
マグネットデンチャーの入れ歯の特徴
マグネットデンチャーとは、磁石で固定する入れ歯になります。
一般的な入れ歯は、金属製の金具を歯にひっかけることで装着します。
金属製の金具よりも装着感が強く現れますので、入れ歯が安定し、食べ物をしっかりと噛むことができるようになります。
磁石がポイントになる入れ歯ですが、入れ歯本体と同時に歯にも磁石を埋め込まなければなりません。
少し大変かもしれませんが、これが安定した装着感に繋がっています。
手術が必要となる入れ歯になることは、覚えておきましょう。
マグネットデンチャーの入れ歯のメリット
マグネットデンチャーの入れ歯を装着するメリットは、次の通りです。
・磁石で固定されているため、食事がしやすくなる
・金属の金具を使用しないため、装着時の見た目が良くなる
・メンテナンスの手間が他の入れ歯と比べると少ない
・歯冠がない場合でも抜歯せずに入れ歯を作成できる
食事のしやすさは先程もお話ししましたが、審美面やメンテナンスに関するメリットもあります。
抜歯しなくても作成できる方法ですから、できるだけ抜歯したくない患者様に向いています。
しかしながら、金属を埋め込むためには歯が必要になり、神経を抜かなければなりません。
手術しても問題ない歯かどうかがポイントになりますので、歯にトラブルを抱えているような場合は注意してください。
吸引力の強さや持続性について
マグネットデンチャーは、装着感が安定しているという話をしました。
こちらはより具体的にいうと、垂直方向に強い吸引力を持っているということを意味しています。
ものによっても異なりますが、マグネットデンチャーは垂直的な力に対しては、かなりの強さを持っています。
一方で横からかかる力には弱く、垂直な力のわずか1/10程度の力でも外れてしまう可能性があります。
ただし、マグネットデンチャーは他からの強い磁力の介在がなければ、半永久的に磁力を発揮できます。
こちらは、入れ歯を維持するための他の装置にはない特徴です。
会話への悪影響を防げるのもメリット
マグネットデンチャーには、会話への悪影響を防げるというメリットもあります。
先ほども触れたように、マグネットデンチャーは金属の金具を使用しないため、装着時の審美性は高いです。
バネやクラスプを使用する通常の入れ歯の場合、どうしてもその部分が外側から見えやすいため、第三者に入れ歯をしているということがバレやすいです。
一方、マグネットデンチャーは金具が存在しないため、周りに入れ歯をしていることを知られたくない方にとってはメリットです。
さらにマグネットデンチャーであれば、会話の際に口を大きく開けて笑うなど、口内が見えてしまうことを気にしない行動が可能になります。
マグネットデンチャーの入れ歯の安全性
マグネットデンチャーの入れ歯で使用されている磁石が、身体に影響を与えることはありません。
ですが、MRI検査を受ける場合は検査で磁気が発生しますので、検査前にマグネットデンチャーの入れ歯を装着していることを伝えなければなりません。
また、ペースメーカーを使用している患者様は、マグネットデンチャーを使用することができませんから、他の素材の入れ歯を勧められます。
一部使用できない方や状況もありますが、基本的には安心して日常生活を送れます。
今や入れ歯の種類は豊富ですから、歯科クリニックで違いについて聞いてみてはいかがでしょう。
マグネットデンチャーのデメリット
マグネットデンチャーは自由診療であり、保険が適用されません。
治療費については、患者さんが10割を支払うことになるため、従来の入れ歯よりはコストが高くなります。
またマグネットデンチャーを適用させるには、歯根に磁性金属を装着する必要があります。
そのため、歯が1本も残っていない方には適用できません。
ちなみに先ほども少し触れましたが、マグネットデンチャーの磁性金属はMRIやCTに影響し、映像が不鮮明になるなどのデメリットにつながることも考えられます。
マグネットデンチャーの適切なケア方法
マグネットデンチャーを装着した後は、毎日のブラッシングと定期的なデンタルチェックが必要不可欠です。
しっかり入れ歯用ブラシを使用し、マグネットデンチャー自体を清掃するだけでなく、口内をキレイにしてマグネットデンチャーに汚れが移ることを防がなければいけません。
もちろんここでいうデンタルチェックには、患者さん自身によるチェックだけでなく、歯科クリニックでの定期メンテナンスも含まれています。
また磁力を弱めるリスクを避けるために、マグネットの部分には過剰な熱や力を加えないように注意しましょう。
マグネットデンチャーがその磁力を維持できるのは、あくまで適切な使い方をしている場合のみです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・マグネットデンチャーとは、磁石で固定する入れ歯のこと
・マグネットデンチャーを選択すると、食事のしやすさや審美面などのメリットがある
・金属を歯に埋め込む必要があり、神経を抜かなければならない
・マグネットデンチャーの磁力が、身体に悪影響を与えることはない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。
