詰め物を作る時や歯科矯正の状況を確認するために、型取りをすることがあります。
しかしながら、歯の型取りが苦手だと感じてしまう患者様は多いのです。
なぜなら、口の中に印象材が入ることで、苦しく感じてしまうからです。
本記事では、歯の型取りが少しでも楽になるポイントをご紹介しましょう。
歯の型取りを楽にするポイント~①鼻呼吸で型取りする~
歯の型取りが苦しいと感じてしまうのは、呼吸の仕方が関係しています。
口呼吸で型取りをしようとすると、印象材が口の中に入ったことで呼吸しにくくなってしまいます。
口呼吸の弊害は、これだけではありません。
印象材の異物感が強くなり嘔吐反射が出てしまったり、固まっていない印象材が喉の奥へ流れ込んでしまったりすることがあるのです。
鼻呼吸に変えると、印象材が奥に入り込むことを防げますので、苦しくなりません。
鼻呼吸で型取りをする際、深呼吸をするようなイメージで呼吸するのがポイントです。
無意識に口呼吸で型取りをしていた患者様は、鼻呼吸に変えてみましょう。
歯の型取りを楽にするポイント~②顎を引いて型取りする~
次の歯の型取りを楽にするポイントは、顎を引くことです。
これは、印象材を喉に流れ込まないようにするために、歯科クリニックでも推奨している方法になります。
顎を引く姿勢は大変だと感じるかもしれませんが、これだけでも印象材が入り込むのを防ぎ、呼吸が楽になるのです。
型取りする時は、顎を引くことを忘れないようにしましょう。
しかし、顎を引いたとしても、呼吸が楽になるポイントは人によって違います。
どのあたりだと呼吸が楽になるのか、調整しながら型取りに臨むようにしてください。
歯の型取りを楽にするポイント~③背もたれの角度を調整する~
また、顎を引いたとしても、椅子の背もたれの角度の影響で苦しくなってしまうこともあります。
このような時は、型取りの前に椅子を調整してもらい、苦しくならない角度にしてもらいましょう。
傾きが水平から座位に近い形になると、苦しさが改善される患者様もいます。
型取りは、歯の状態を確認するために欠かせない作業ですが、ちょっとした工夫で苦しさを和らげることができます。
型取りに苦手意識のある患者様は、今回ご紹介した型取りのポイントを実践してみてください!
歯科クリニックでも、患者様に合った方法で型取りをしてくれますので、どの方法が良いか探っていきましょう。
歯の型取りを楽にするポイント~④~嘔吐反射が強いことを事前に伝える
嘔吐反射が強いことを事前に歯科医師、従業員の方に伝えるのは効果的です。
こうすることで緩和する方法を模索してもらえます。
例えばカウンセリング実施などは、あらかじめ伝えることで選択肢が生まれます。
このような行動について「迷惑かもしれない」と考える方もいます。
しかし、実際はそのようなことはありません。
歯科クリニックの医師は嘔吐反射への対応にも慣れているため、気にせず伝えましょう。
ちなみに伝えるときは問診票に記入したり、直接口頭で伝えたりするのがおすすめです。
歯の型取りを楽にするポイント~⑤リラックスして深呼吸する~
歯型取りが苦しい理由はさまざまですが、緊張するのは一番良くありません。
「苦手だ」と思うと緊張してしまい、周りの筋肉も強張ります。
こうなると呼吸も浅くなり、恐怖感が増してしまいます。
そのため、歯型を取る前にはゆっくりと深呼吸をしてリラックスしましょう。
そして自身のタイミングで歯型取りを開始してもらうようにします。
前もって医師に苦手なことを伝えておけば、準備が整うまで待ってくれます。
歯の型取りを楽にするポイント~⑥表面麻酔をする~
極端に歯型取りが苦手な方には表面麻酔がおすすめです。
喉にスプレータイプの表面麻酔をすると、喉の感覚を一時的に鈍らせることができます。
こちらは嘔吐反射を軽減する効果があります。
また、歯科クリニックによっては事前に鎮痛剤を投与してくれるところもあります。
その他、笑気ガスの吸引や静脈内鎮静法も強い嘔吐反射には効果的です。
ただし、笑気ガスや静脈内鎮静法については設備などが必要になります。
そのため、どこの歯科クリニックでも対応しているというわけではありません。
歯型取りが苦手な方は、カウンセリングでこれらの麻酔が使用できるか確認しましょう。
歯の型取りを楽にするポイント~⑦他のことを考える~
歯型取りが苦しいと感じる方は、施術中なるべく他のことを考えるようにしてください。
印象材に意識が向かうと、「辛い」「しんどい」などネガティブな気持ちになります。
また硬化前に動くと歯型の精度が悪くなり、やり直さなければいけないこともあります。
そのため、まったく違うことを考えることで意識を逃がすことが大切です。
例えば、晩御飯の献立を考えるなどすることである程度施術時間が短く感じられます。
歯の型取りを楽にするポイント~⑧直前の飲食を避ける~
歯型取りによって嘔吐反射が起こる可能性が高い方は、直前の飲食を避けるべきです。
なぜなら、胃の中を空にすれば「吐くものがない」という安心感が得られるからです。
逆に施術前に食べてしまうと、「吐いてはいけない」という思いが強くなります。
こちらは吐き気を強くしてしまうおそれがあるため、注意が必要です。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯の型取りを楽にするには、口呼吸でなく鼻呼吸にするのがポイント
・型取りの際に顎を引いた姿勢でいることで、苦しさを軽減できる
・椅子の背もたれの角度を調整することで、型取りを楽にできることもある
・自分に合った方法を探して、少しでも楽に型取りをしよう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。