時には、風邪で体調不良の最中に虫歯の痛みが襲ってくることがあります。
虫歯トラブルは、基本的に発覚した時点で歯科クリニックを受診し、治療してもらう必要があります。
ですが、風邪をひいてしまった時でも受診して大丈夫なのでしょうか?
本記事では、風邪をひいた時の虫歯治療についてお伝えします。
風邪をひいたら虫歯治療は避けるべき
風邪をひいてしまった時に虫歯治療をしてしまうと、感染症にかかるリスクが高くなるため、基本的には避けるべきです。
ただでさえ風邪で体が弱っており、免疫力が低下している時に細菌が入り込んでしまうと、その動きを抑えることができません。
その結果、細菌が繁殖し、症状が悪化したり、別のトラブルを引き起こしてしまったりします。
それだけでなく、風邪の症状によっては鼻づまりや咳が酷い方の場合、口を開けている途中で苦しくなってしまい、治療に支障が出てしまうことも考えられます。
問題なく治療するためには、風邪が治ってから受診するのが望ましいです。
風邪をひいていても痛みが強い虫歯の時は受診する
とはいえ、風邪をひいた時でも虫歯の痛みが強すぎる場合は、歯科クリニックを受診すべきです。
受診を勧める理由は、2つあります。
1つは、虫歯菌が血管や顎の骨に侵入し、炎症を起こしている可能性があることです。
炎症をそのままにしていると、他の病気に繋がるため、風邪を引いていたとしても治療をしてもらうべきです。
もう1つは、虫歯と直接関係ありませんが、副鼻腔炎による炎症が歯の神経に伝わり、歯が痛くなることです。
この場合は、副鼻腔炎が治まると痛みを改善することができます。
原因がはっきりしない時は、歯科クリニックに相談し、どちらの治療を優先して行うのかを判断してもらいましょう。
副鼻腔炎による歯の痛みの特徴
副鼻腔炎による歯の痛みは、風邪が治れば2~3日経つと痛みが落ち着きます。
副鼻腔炎による炎症が治ってくるため、歯の神経を圧迫することがなくなり、歯の痛みも徐々に改善するという仕組みです。
しばらく経っても痛みが引かないは、虫歯や歯周病の可能性があります。
また、副鼻腔炎になると、歯が全体的に痛みます。
どの歯が痛むのかハッキリとわからない場合は、副鼻腔炎を疑いましょう。
虫歯や歯周病の場合は、特定の歯だけ痛むケースが多いです。
さらに、歯に違和感があると副鼻腔炎の可能性があります。
具体的には、歯が浮いているような感覚や鈍痛を感じるようであれば、副鼻腔炎の可能性が高いです。
ただし、違和感については、虫歯の痛みと違いを判別しにくいケースもあります。
風邪を引くことで虫歯が痛くなることも
風邪やインフルエンザといった発熱を伴う感染症にかかることで、虫歯の歯痛が誘発されることもあります。
普段は特に痛みを感じていなかったにもかかわらず、風邪で発熱した途端に歯が痛み出した場合は要注意です。
なぜなら、風邪の発熱によって虫歯菌の活動が活発化し、歯の神経が強く刺激されている証拠だからです。
また、虫歯菌の活動が活発になったということは、病態の進行も早くなっているということです。
風邪の症状が落ち着いたら、なるべく早く歯科クリニックを受診しましょう。
風邪や虫歯と関係なく歯が痛む場合もある
歯が極端に痛む場合でも、風邪や虫歯がまったく関係していないことがあります。
例えばヘルペスや外傷、腫瘍などの原因でも、歯が痛むことはあります。
脳から出ている神経の一つに、三叉神経というものがあります。
三叉神経は、顔面の触った感じや、痛みを感じることなどを主に担当しています。
また、三叉神経の枝分かれした1本は、上顎全体に細かく存在しています。
この神経のどこかで神経を圧迫される、もしくは障害されると、それより末梢の範囲に痛みを感じます。
神経を圧迫されるもしくは障害される主な理由としては、ヘルペスウイルスが活性化することや、ボールなどがぶつかることによる外傷があります。
ヘルペスウイルスは、口内などの痛みや赤み、水膨れなどを引き起こします。
ちなみに、腫瘍などの病変ができ、神経を圧迫することもあります。
腫瘍は良性・悪性ともに、CTやMRIなどの画像診断により、初めて見つかるケースが多いです。
歯磨きは虫歯予防にも風邪予防にもなる
歯磨きは虫歯予防の基本ですが、実は風邪予防にもつながります。
風邪のウイルスは、咳やくしゃみによって空気中に飛散します。
こちらを吸い込むことにより、鼻や喉の粘膜に付着し、体内に侵入します。
また鼻や喉の粘膜は口腔内細菌が増加すると、表面を覆っているタンパク質の膜が破壊され、ウイルスに感染しやすくなります。
そのため、日頃から歯磨きを徹底し、口内の細菌を除去するのが大切です。
風邪をひいた時の虫歯治療の判断は歯科クリニックで
風邪をひいた時でも早急に虫歯治療をすべきかどうか、困った時は必ず歯科クリニックに相談しましょう。
痛みが強い、腫れているような場合は、風邪が治るのを待っていられません。
事情を説明し、治療を受けることができますので、遠慮せずに受診してください。
虫歯の治療を受けるには、健康な体であることが欠かせません。
風邪をひいてしまった時は、まず体調を回復させることを優先してください。
そして、風邪が治ったら、すぐに歯科クリニックに足を運んで、歯のトラブルを解決してもらいましょう。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・風邪をひいてしまった時は、虫歯があっても治療を避けるべき
・虫歯菌が顎の骨や血管に入り込んだ時は炎症を起こしているため、すぐに受診する
・副鼻腔炎による炎症の痛みの可能性もあるため、受診して虫歯と区別する必要がある
・体調が回復したら、すぐに歯科クリニックを受診しよう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。