電動歯ブラシには、自分で歯磨きをするよりも汚れを落としやすいメリットがあります。
ところで、電動歯ブラシを使用する際は歯磨き粉を使用した方が良いのでしょうか?
振動している分、歯磨き粉がなくても良いと思ってしまいます。
ここでは、電動歯ブラシと歯磨き粉の使用についてお伝えします。
電動歯ブラシでも歯磨き粉は使用すべき
電動歯ブラシに関わらず、手で歯磨きをする場合でも、汚れを落とすためにはしっかりとしたブラッシングが必要になります。
そうなると、電動で磨いている分、歯磨き粉を使用しなくても歯磨きができていると思ってしまいます。
ですが、電動歯ブラシであっても、歯磨き粉はきちんと使用すべきです。
なぜなら、歯周病や虫歯、着色汚れを落とすにはブラッシングだけでは足りないからです。
確かに、歯垢等の汚れを落とすことはできますが、電動歯ブラシのみで予防をすることはできません。
歯磨き粉に含まれている成分の力を借りることで、電動歯ブラシの効果を発揮することができるのです。
よって、電動歯ブラシのブラッシングのみで予防ができていると考えるのは間違いです。
電動歯ブラシに向いている歯磨き粉
電動歯ブラシを使用する際に向いている歯磨き粉は、発泡剤が含まれていないものになります。
発泡剤が含まれていると、磨きながら泡立ってしまい、きちんと磨けているか判断できません。
さらに、電動歯ブラシを使用すると泡立ちがさらに良くなりますから、時間をかけて磨くことが難しくなることもあります。
そのため、発泡剤を使用していない歯磨き粉を選んだ方が、ブラッシングに時間をかけれますし、磨けているかどうかの判断もしやすくなります。
電動歯ブラシと研磨剤入り歯磨き粉の相性から
また、電動歯ブラシを使用する際、研磨剤入りの歯磨き粉の使用は避けた方が良いです。
なぜなら、振動が多い分、研磨剤入りの歯磨き粉で磨いてしまうと、歯を傷つけてしまう恐れがあるからです。
これは、電動歯ブラシならではの特徴になりますから覚えておきましょう。
近年、歯磨き粉の種類は豊富になり、使用目的に応じて選ぶことができるようになりました。
しかし、種類が豊富な分、知らないうちに電動歯ブラシと相性の悪い歯磨き粉を使用してしまっていることもあり得ます。
初めて電動歯ブラシを使用する患者様は、現在使用している歯磨き粉を使用しても問題ないかどうか、歯科クリニックで確認してもらうようにしましょう。
電動歯ブラシと併用する歯磨き粉の薬用成分
電動歯ブラシと併用する歯磨き粉は、求める効果に合わせて薬用成分もチェックすべきです。
歯磨き粉は歯の汚れを落とす基本成分と、殺菌や歯質強化などの薬用成分でつくられています。
基本成分のみのものは化粧品歯磨剤、基本成分+薬用成分のものは医薬部外品歯磨剤に該当します。
また医薬部外品の歯磨き粉には多種多様な薬用成分が含まれているため、成分表を確認し、自身の口の悩みや目的に合ったものを選びましょう。
例えば虫歯予防が目的であればフッ素が含まれたもの、歯周病予防が目的であればIMPMや塩化セチルピリジニウムなどが含まれたものがおすすめです。
電動歯ブラシの使い方にも注意が必要
電動歯ブラシに歯磨き粉をつける際には、電動歯ブラシの使い方にも注意しなければいけません。
まず電動歯ブラシの電源については、必ず口に入れてからオンにしましょう。
歯磨き粉をつけた状態で先にスイッチを入れると、勢い良く飛び散って洗面台などが汚れてしまいます。
また歯磨き粉を使用すると、爽快感から磨けていないのに磨けた気になってしまうことがあります。
歯の表面はもちろん、歯と歯の隙間や歯茎の境目など、それぞれの場所にあわせてしっかり歯ブラシを当てて磨いていきましょう。
電動歯ブラシの種類とそれぞれの特徴
電動歯ブラシと歯磨き粉の使い方を知る際には、どのようなタイプの電動歯ブラシがあるのかもあわせて把握すべきです。
もっとも一般的なのは、音波・超音波歯ブラシです。
こちらは音波や超音波によって水流をつくり出し、プラークを除去するタイプの電動歯ブラシです。
歯科クリニックで受ける歯のクリーニングやスケーリングでも活躍する機会が多い技術であり、汚れを落とす効果は手磨きの7~10倍にもなります。
またその他の種類でいうと、回転する丸型タイプの電動歯ブラシや、スマホ連動タイプの電動歯ブラシなどがあります。
丸型タイプは、歯の形状にあわせて磨きやすいという特徴があるため、汚れをしっかり落としたい方におすすめです。
一方スマホ連動タイプは、ブラシを動かす幅やブラッシング圧、磨き残した部位などをデータとして取り込み、スマホのアプリで確認することができる優れものです。
電動歯ブラシのメンテナンスについて
電動歯ブラシは通常の歯ブラシと同様、使用した後はメンテナンスをしなければいけません。
具体的には、ブラシ部分を丁寧に洗い、風通しの良いところで保管します。
ブラシにプラークや食べカスが残ったままだと、雑菌やカビが繁殖してしまうため、注意が必要です。
またブラシだけでなく、ブラシと本体のつなぎ目の部分も汚れが溜まりやすいです。
ちなみに、こちらに汚れが溜まると接触不良を起こし、故障につながることもあります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・電動歯ブラシでケアする場合も、歯磨き粉は使用すべき
・電動歯ブラシを使用する際は、発泡剤は含まれていない歯磨き粉を使用しよう
・振動している分、研磨剤入りの歯磨き粉だと歯を傷つけてしまう恐れがある
・使用目的に応じて、電動歯ブラシに合った歯磨き粉を選ぼう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。