歯の生え変わりは、親御さんにとって子どもの成長を喜ぶ一つの機会です。
特に前歯は、歯の成長がはっきりと確認できる部分になります。
ところが、前歯が生えてくる段階で、隙間が空いている時があります。
これは、隙間が埋まらずにそのままなのでしょうか?
ここでは、治療の必要性についてお話ししましょう。
永久歯の前歯の隙間はトラブルの印でない
結論から言うと、永久歯の前歯に隙間があったとしても、それは何ら問題ありません。
親御さんからするとすきっ歯のように見えますが、これは歯の生え変わりでよく見られる現象なのです。
したがって、隙間が空いているからといって、今すぐに治療が必要だと慌てることはありません。
ほとんどの場合、他の生え変わりで見られる現象と同じように、成長とともに隙間はなくなっていきます。
この時期は歯科クリニックの間でもすきっ歯になっている見た目の悪さから、「醜いアヒルの子の時期」と言われています。
仮に小学校低学年の時に隙間があっても、高学年になる頃にはなくなっていることがほとんどです。
他の歯とのバランスの問題もありますから、すぐに矯正治療をしなければならないと思う必要はありませんので、ご安心下さい。
前歯の隙間で治療が必要なケース
成長とともに自然に前歯の隙間は閉じていきますが、そうでない時もあります。
それは、”正中離開”の疑いがある場合です。
正中離開は、前歯の隙間が異常によって作られた場合を示します。
この状態になると、歯の隙間は自然に閉じません。
そのため、歯科クリニックでの矯正治療が必要になります。
この判断を親御さんの目で行うのは困難ですから、成長とともに隙間がなくならない時は歯科クリニックに相談しましょう。
たとえ、1㎜の隙間であっても、異常が原因の隙間の場合は治療が必要になる可能性があります。
隙間の距離の判断は、あてになりません。
また、正中離開の治療を行っても、隙間が閉じないケースも珍しくありません。
治療が長期的になる場合もありますので、成長の遅さだけでない違和感がある場合は放置しないようにしましょう。
矯正治療の中には、早期発見によって負担が少なく問題を解決できることがあります。
子どもの負担を軽くするためにも、もしもの時の選択肢を覚えておいて下さい。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・生え変わり中の前歯の隙間は、成長とともになくなっていくことがほとんど
・隙間ができてしまうのは、歯の全体のバランスのせい
・正中離開の場合、生え変わりに異常があるため、隙間は自然になくならない
・歯科クリニックで正中離開専門の治療や、矯正治療が必要になることもある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。