歯磨き中にえずいてしまうのは、仕方がないことと思っている患者様が多いです。
しかしながら、いつもの歯磨きを少しだけ変えるだけで、えずいてしまうことを防止できるのです。
本記事では、歯磨き中にえずかないための対処法についてご紹介しましょう。
えずきでお悩みの患者様は、是非ご覧下さい。
歯磨き中にえずかないための対処法~①下向きの歯磨き~
1つ目の歯磨き中にえずかないための対処法は、顎を引き、下向き加減で歯磨きをすることです。
写真を撮る時によく行う行為ですが、日常生活で意識して顎を引くことはあまりありません。
下向き加減で歯磨きをすると、喉の奥の方にブラシが入るのを避けることができます。
ブラシの位置も喉の奥に向けてでなく、下向きになりますので、えずいてしまう原因を少なくできるのです。
顎の位置を意識するだけでできる対処法ですから、これからは歯磨き中の顔の位置を意識してみましょう。
歯磨き中にえずかないための対処法~②舌に触れない~
2つ目の歯磨き中にえずかないための対処法は、なるべく舌に触れないようにして歯磨きをすることです。
えずいてしまう嘔吐反射のほとんどは、舌にブラシが当たってしまうことがきっかけで起こります。
舌に当たりさえしなければえずくことはありませんから、歯磨き中の舌の位置やブラシの動かし方に注意してみて下さい。
しかし、舌磨きをしたい時もあるはずです。
舌磨きの時は、舌に触れることが避けられませんが、声を出しながら磨くことでえずいてしまうことを回避できます。
舌磨きも大切ですから、対処法を日頃のケアに取り入れましょう。
歯磨き中にえずかないための対処法~③歯磨き粉を使用しない~
3つ目の歯磨き中にえずかないための対処法は、歯磨き粉を使用せずに歯磨きをすることです。
舌にブラシが当たるだけでなく、歯磨き粉の香料が強すぎることで異物感を感じてしまい、えずいてしまうことがあります。
この場合は、原因となる歯磨き粉の使用をやめることで改善できます。
さらに歯磨き粉の中には、異物感がなくなる発泡剤不使用の製品がありますので、こちらを使用して歯磨きをしている患者様もいます。
どの歯磨き粉がえずきにくいのか、市販品を見ても分かりにくい時は、歯科クリニックに聞いてみましょう。
発泡剤不使用と言っても種類は豊富で、ケアの目的によって変わりますから、選ぶのに迷ってしまう時は相談するのがベストです。
歯磨き中にえずかないための対処法~④使用する歯ブラシを工夫する~
歯磨き中にえずくのを防止するには、使用する歯ブラシを工夫することも大切です。
具体的にはヘッドの小さい歯ブラシや、冷たく冷やした歯ブラシを使用するのがおすすめです。
ヘッド部分が大きい歯ブラシで歯を磨くと、喉や舌先に触れて嗚咽が出やすくなります。
一方、小さなヘッドの歯ブラシであれば、嘔吐反射が出る可能性は低いです。
このとき、1~2本ずつ細かく磨いていくことを意識すれば、よりえずきにくくなります。
奥歯を磨く際には、ワンタフトブラシという特殊な形状の歯ブラシを使用すると良いです。
ワンタフトブラシは、毛先が中央にまとまって山形になっている歯ブラシで、嘔吐反射を抑えつつ磨きにくい部分の汚れをかき出せます。
また常温の歯ブラシと比べ、冷蔵庫などで冷やした歯ブラシは嘔吐反射が起こりにくいです。
そのため、常に冷たい状態で使用できるよう、磨き終わった後は歯ブラシを冷蔵庫に入れておきましょう。
ただし知覚過敏などの症状がある方は、冷たい歯ブラシを使用するのはおすすめできません。
歯磨き中にえずかないための対処法~⑤タイミングを工夫する~
歯磨き中にえずかないようにするには、歯磨きを行うタイミングを工夫することも意識しましょう。
例えば食後すぐに歯を磨こうとすると、口内の刺激が強くなることがあり、刺激が強いと嘔吐反射も出やすくなります。
そのため、食後の歯磨きは少し時間を置いてから行うことをおすすめします。
また強いストレスを感じていたり緊張していたりするときも、嘔吐反射が出やすくなるため歯磨きは避けるのが無難です。
リラックスしている状態のときであれば、えずきやすい方でもスムーズに磨ける可能性が高いです。
頻繁にえずく場合は放置してはいけない
歯磨きを行うたびに毎回えずいてしまうという方は、そのまま放置しない方が良いです。
なぜなら、えずくことを理由に歯磨きを避けるようになるからです。
もちろん、歯磨きを避けるようになれば、虫歯や歯周病などを発症しやすくなります。
また毎日何回もえずいてしまうと、身体に負担をかけたり、体調を悪化させたりすることにもつながります。
そのため、一度歯科クリニックに相談し、原因を突き止めることが大切です。
病気を発症している可能性も
これまで歯磨きでえずくことはなかったにもかかわらず、ある日急に吐き気がひどくなったという場合、何らかの病気を発症している可能性もあります。
特に可能性が高いのは、食道や胃腸などの病気です。
具体的には逆流性食道炎や胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍といった病気が該当します。
また軽い慢性膵炎や肝炎、胃がんなどの可能性も捨てきれないため、前述したようにえずきやすい方は一度検査を受けましょう。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯磨き中にえずかないためには、顎を引き下向きの歯磨きをすると良い
・歯磨き中に、なるべく舌に触れないように磨くことも対処法になる
・異物となり得る香料の強い歯磨き粉の使用をやめること
・発泡剤不使用やケアの目的にあった歯磨き粉を選びたい時は、歯科クリニックを頼ろう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。