一般的に虫歯になってしまう原因は、虫歯菌の活動にあります。
それと同時に、歯を形成している栄養素、カルシウムが不足しているからだと考える患者様もいます。
時に、カルシウム不足は虫歯と関係があるのでしょうか?
今回の記事では、カルシウム不足が虫歯に影響するのかどうかについて解説します。
カルシウム不足は虫歯に影響するという話の根拠
カルシウム不足が虫歯に影響するという話の根拠は、やはり歯を形成しているというところにあります。
そのため、カルシウムが不足してしまうと、歯が弱くなってしまい、虫歯菌にやられてしまうといったイメージがあるのです。
しかし、このような話を鵜呑みにしてはいけません。
子どもの場合は話が別ですが、大人の場合だと歯のカルシウムが不足しても、不足分を他の骨から補うことになります。
意外にもカルシウムの調節は、体の中できちんと行われているのです。
ですので、不足しているからといって、すぐに歯が脆くなったり、虫歯になったりすることはありません。
カルシウム不足が虫歯になりやすい環境にしてしまう
結論から言うと、カルシウム不足が虫歯を引き起こす原因は、唾液にあります。
唾液は十分な量が分泌されることで、再石灰化で初期虫歯の修復をしたり、虫歯の予防を行ったりしてくれます。
ところが、カルシウムが不足してしまうと、唾液が十分に分泌されません。
加えて、唾液に含まれるカルシウム成分が少なくなりますから、再石灰化が十分に行われない可能性があるのです。
そうなると、本来ならば再石灰化で修復される初期虫歯であっても、どんどん進行してしまいます。
その結果、口内環境の悪化に繋がってしまうのです。
歯自体が弱くなるというよりは、口内環境の悪化のために虫歯になってしまうと考えるのが正しいです。
子どもの場合のカルシウム不足は虫歯に直結する
大人の場合と違い、子どもの歯においてはカルシウム不足が虫歯のきっかけになり得ます。
永久歯を育てたり、再石灰化を促したりするためには、普段からカルシウムを摂取していないとできません。
大人のように、他の骨から補うことが難しいのです。
カルシウムが十分でないと、少しずつ歯にダメージが蓄積されてしまいますから、親御さんは注意して下さい。
とはいえ、日頃から注意していても、虫歯になってしまうことがありますので、その時は歯科クリニックを受診しましょう。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・カルシウム不足で歯が弱くなり、虫歯になるというのは間違い
・カルシウムが不足することで口内環境が悪化するため、虫歯になる
・子どもの場合は歯の形成に欠かせないため、不足すると虫歯になる可能性がある
・どのような場合でも、虫歯になった時は歯科クリニックで治療してもらおう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。