年齢を重ねると、総入れ歯を検討する方が増えてきます。
ですが、総入れ歯にすることに少し抵抗がある方もいるはずです。
また、総入れ歯にした場合、日常生活にはどのような悩みが出てくるのでしょうか?
総入れ歯でも安心・快適な生活を送るために、一緒に確認しましょう。
総入れ歯の悩み~①入れ歯に慣れるのに時間がかかる~
1つ目の総入れ歯の悩みは、慣れるまでに時間がかかることです。
総入れ歯の場合、口の中全体の快適さに影響しますから、日常生活で支障なく使用できるまでに時間のかかる患者様がほとんどです。
その原因は、上顎と下顎で調整の難易度が違うことにあります。
入れ歯の感覚は、上の歯と下の歯で全く違いますから、慣れだけの問題に留まりません。
そもそも上下の口に合っているのかも、確認しなければならないのです。
そのため、部分入れ歯よりも装着時の悩みが多くなり、場合によっては勝手に外してしまう患者様も少なくありません。
総入れ歯の悩み~②噛める物に限界がある~
2つ目の総入れ歯にした時の悩みは、噛める食べ物に制限がかかることです。
自分の歯で食べる場合は、基本的に制限がありません。
しかし、入れ歯の場合は安定剤を使用しても、固い物を食べることが難しくなります。
最近では、歯が弱い、噛む力がなくなっている方でも食べやすい食べ物が多く販売されていますが、好きな物を自由に食べたいという方もいます。
食べることが好きな方にとって、悩ましいことになるのは当然です。
総入れ歯の悩み~③定期的に歯科クリニックを受診しなければならない~
3つ目の総入れ歯の悩みは、入れ歯自体に寿命があるため、定期的に作り直したり、修理したりする必要があることです。
そのため、歯科クリニックに最低年1回は通い続けなければなりません。
入れ歯は、1回作ったから終わりではありません。
しかし、これは悪いことでなく、むしろ良いことなのです。
歯科クリニックを定期的に受診する機会があると、入れ歯以外のトラブルも発見できますから、安心して生活が送れる状況になるのです。
歯科クリニックと連携しながら、安心で楽しく、快適な日常生活を送りませんか?
入れ歯を作成するにあたり、不安があるのは当たり前ですから、歯科クリニックで不明点を相談しておきましょう。
全ての疑問に丁寧に答えてくれますから、些細なことでも安心して相談して下さい。
総入れ歯の悩み~④メンテナンスの手間がかかる~
先ほど、総入れ歯を使用する場合は定期的に歯科クリニックに通わなければいけないという話をしました。
さらに総入れ歯の安定感を保つには、自宅でのメンテナンスも徹底しなければいけません。
総入れ歯はしっかり歯茎と吸着させているつもりでも、多少はその隙間に食べカスが入ったり、汚れがついたりするものです。
このような汚れを放置していると、入れ歯の変色や強い口臭につながるため、しっかり洗浄しなければいけません。
また総入れ歯の洗浄には洗浄剤が必要ですし、装着時には安定剤も使用します。
つまり総入れ歯のメンテナンスには、手間だけでなくある程度のランニングコストもかかるということです。
総入れ歯の悩み~⑤外れやすくなることがある~
総入れ歯は、使い続けていると外れやすくなることがあります。
こちらは主に噛み合わせや歯茎の変化が理由です。
総入れ歯を作製した後に噛み合わせが変化すると、一部にのみ圧力がかかります。
その結果、入れ歯の装着感が不安定になり、簡単に浮いたり外れたりすることがあります。
また長期間総入れ歯を使用していると、噛んだときの刺激が顎の骨に伝わりにくいため、徐々に痩せてしまうことが考えられます。
骨が痩せると必然的に歯茎も痩せてしまい、最初はしっかりフィットしていた総入れ歯が合わなくなります。
総入れ歯の悩み~⑥顔貌が変化する~
総入れ歯の装着により、顔の見た目が変化してしまうこともあります。
こちらは顔の筋肉の使い方、入れ歯の厚みや形状などが関係しています。
総入れ歯を使用することにより、顔の筋肉の使い方が変わることがあります。
特にフィット感の弱い入れ歯や、新しい総入れ歯に変えたときなどは、筋肉の使い方が大きく変化します。
筋肉の使い方が変われば、顔の形が以前と異なるものになる可能性があります。
また保険診療の総入れ歯では、歯茎の部分にプラスチックが使用されるケースが多いです。
プラスチックは、強度を持たせるために厚みが必要になるため、口元が盛り上がって見えることがあります。
総入れ歯の悩み~⑦就寝時に外さなければいけない~
総入れ歯は、基本的には就寝時に外さなければいけません。
なぜなら、就寝中は虫歯菌や歯周病菌が繁殖しやすいからです。
そのため、早く総入れ歯に慣れたいがために、ずっと装着し続けるということはできません。
夜間は洗浄液につけ、入れ歯をメンテナンスする時間に充てるのが好ましいです。
ただし、一部の歯科医師の中には、総入れ歯をつけっぱなしの状態で就寝することを推奨する方もいます。
こちらは地震などの災害が発生した場合でも、入れ歯を置き忘れないようになることが理由です。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・総入れ歯特有の悩みには、慣れるまでに時間がかかることが挙げられる
・自分の歯でないため、噛める物に制限がある
・入れ歯にも寿命があるため、作り直しや修理が必要なタイミングがある
・入れ歯の様子をチェックしてもらうことは、快適な日常生活を送る上で大切
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。