昔の人が実践していた虫歯予防の中には、実にユニークな方法もありました。
その一つが、お歯黒です。
歯を黒くするのは、当時の流行だったからではありません。
虫歯予防の視点から見ても、お歯黒は理に適った、最先端の予防法でした。
今回は、その理由をご紹介しましょう。
虫歯予防についてお歯黒の成分から考える
虫歯菌にとって、お歯黒の材料となるかねみずや五倍子粉には活動を抑制する作用が含まれています。
かねみずには、歯の耐酸性を高める効果があり、細菌によって歯が溶けてしまうことを防いでくれます。
また、五倍子粉には抗菌作用があり、虫歯菌が活動しにくい状態を作り出してくれるのです。
現代人からすると、少し違和感のあるスタイルですが、お歯黒が主流だった時代の人々の歯を守っていてくれたことが分かります。
今の虫歯予防法ではフッ素を塗布することが主流ですが、それに近い方法を昔から行っていたことに驚きませんか?
虫歯の原因になる食べかすの悩みもお歯黒なら解消
さらに、お歯黒をしている人は歯がツヤツヤしています。
虫歯予防には、お歯黒のツヤも貢献しているのです。
お歯黒にするために歯を黒くする場合、汚れや食べかすが付着したままだと、上手く染色できません。
汚れがあることで、均一なツヤのある黒さにならないのです。
そうならないために、当時の人たちは色を付ける前に食べかすを取り除く等のケアを念入りに行っていたのです。
これは、現代人にも通じるところがあります。
虫歯のきっかけは、歯に付着した食べかすをそのままにしておくことにありますから、こまめに取り除くことが大切です。
昔の人にとってお歯黒にすること自体が、お手入れのきっかけになっていたのです。
虫歯予防としてお歯黒は現代にも活きている?
時代が進むと、お歯黒の文化は薄れてしまいました。
しかし、現代でも虫歯予防の一つとして、お歯黒が活かされているのです。
注目されたのは、お歯黒で使用された材料の成分です。
最初にお歯黒の材料には、虫歯予防に効果を発揮する成分が含まれていることをご紹介しました。
それらをお歯黒としてでなく、他の方法で予防に活かしているのです。
昔の人の知恵が、論理的にも虫歯予防に効果的だったとは、驚きですね!
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・虫歯予防に効果的な成分がお歯黒の材料に含まれている
・お歯黒は汚れが付いていると綺麗に色づかず、ツヤも出てこない
・黒色の鮮やかさやツヤをしっかり出すには、日々歯のメンテナンスをしなければならない
・お歯黒の材料の成分は、現代の虫歯予防に活かされている
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。