毎日の歯磨きで、歯磨き粉はどのくらい使用していますか?
爽快感を得たいからといって、歯磨き粉をたくさん使用してはいけません。
虫歯予防に効果的な成分が含まれていても、適量で使用しなければ意味がないのです。
今回は、正しい歯磨きのための知識として、歯磨き粉の適切な分量についてご説明しましょう。
歯磨き粉の適切な分量
歯磨き粉の適切な分量は、年齢によって異なります。
・6カ月~2歳まで…切った爪程度の少量
・3歳~5歳まで…歯ブラシの4分の1程度
・6歳~14歳まで…歯ブラシの3分の2程度
・15歳~…歯ブラシの半分
年齢によって多少違いはありますが、基本的に歯ブラシの半分程度が歯磨き粉の適切な分量になります。
子どもの場合は、使用する歯ブラシが小さくなりますので、それぞれ分量が違っていると言うことができます。
今まで無意識に歯磨き粉を使用していた方は、今回の記事をきっかけに分量にも注目してみて下さい。
上記の分量を目安に、多すぎず、少なすぎず、このさじ加減をポイントにしましょう。
歯磨き粉の分量は多い方が良いイメージはどこから?
歯磨き粉の分量は多い方が良いというイメージは、CMによって植え付けられているといっても過言ではありません。
歯磨き粉のCMでは、製品の良さをアピールするためにあえてたくさんの量が使用されています。
しかし、実際に歯磨きをする場合は、CMほどの分量が必要ありません。
かえって、使用しすぎている状態なのです。
ですので、たくさん使用すると良いというイメージは、ここでなくしましょう。
歯磨きで最も大切なのは、歯磨き粉の分量よりも“磨く”ことですから、ケアの意味を見失ってはいけません。
歯磨き粉の分量が多いことのデメリット
歯磨き粉の分量が多すぎると、磨いたつもりになってブラッシングが雑になります。
歯磨き粉を大量につければ、確かに泡立ちや清涼感はアップします。
しかし泡立ちや清涼感が強すぎると、少し磨いただけでスッキリしてしまい、磨き残しが出やすくなります。
泡立ちが良すぎると、口内に残ったプラークを視認するのも難しいです。
また、市販の歯磨き粉には研磨剤が含まれているものもありますが、こちらを大量につけるのは歯にとって良くありません。
研磨剤には、歯に付着した汚れやステインなどを除去する役割があります。
一方で、大量につけすぎることにより、歯の表面にあるエナメル質を傷付けてしまうおそれがあります。
歯磨き粉の分量が少なすぎると?
歯磨き粉はたくさんつければ良いというわけではありませんが、逆に少なすぎするのも良くありません。
まず、歯磨き粉の分量が少ないと、含有成分による効果が得られなくなります。
そのため、虫歯や歯周病のリスクは高まります。
また、歯の着色汚れも落ちににくくなり、少しずつ歯に黄ばみが生じる可能性もあります。
さらに、歯磨き粉が少なすぎる場合、清涼感や爽快感もほとんど得られません。
ある程度の清涼感や爽快感がなければ、ブラッシングを行った感じがしないという方も多いかと思いますので、あまりに少なくするのは控えましょう。
現在の歯磨き粉は適切な分量でも十分に効果が発揮できる
ところで、昔と今の歯磨き粉では、使用感や成分が大幅に変わっています。
そのため、歯磨き粉をたくさんの分量で使用しなくても、きちんと予防効果が得られるのです。
よって、最初に紹介した分量で歯磨きしても問題ないのです。
歯磨き粉についての知識を理解した後は、正しい磨き方を覚えるだけです。
磨き方に不安がある場合は、歯科クリニックでブラッシング指導を受けてみてはいかがでしょうか?
正しい磨き方を学ぶことで、より歯磨き粉の効果を高めることができますから、虫歯や歯周病と無縁になることも夢ではありません。
歯磨き粉の効果を発揮できる磨き方
歯磨き粉の効果を高めるには、分量だけでなく磨き方を意識することも大切です。
具体的には歯ブラシに適用の歯磨き粉を付け、歯磨き粉が歯の表面の全体に広がるように、時間をかけて磨きます。
また、ブラッシングが一通り終わった後は、歯磨き粉をできるだけ吐き出します。
これにより、少ない水で後のすすぎが行えます。
さらに、ブラッシング後のうがいは少ない水で行うことをおすすめします。
5~15ml程度の水を口に含み、5秒間程度ブクブクとすすぐだけで、十分口内は洗浄できます。
うがいは1回がおすすめで、やりすぎると歯磨き粉の含有成分における効果が薄れる可能性があります。
歯磨き粉をつける前は歯ブラシを濡らさない
歯磨き粉の効果を高める方法としては、歯ブラシを濡らさずに歯磨き粉をつけるという方法も挙げられます。
多くの方は、一度濡らした歯ブラシに歯磨き粉をつけているかと思います。
しかし、こうすると少量の歯磨き粉であっても泡立ちが良くなりすぎることがあります。
前述したように、泡立ちが良くなりすぎるとブラッシングがおろそかになってしまうため、注意してください。
歯磨きの目的は、あくまで歯の表面や歯と歯の間に付着したプラーク、食べカスを除去することです。
泡立ちの良さばかりを重視していると、歯磨き本来の目的を果たすことができなくなります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯磨き粉には、年齢に応じて適切な分量がある
・歯磨き粉がたくさんついていると良いイメージは、商品販売のためのCMにある
・今の歯磨き粉は、昔と比べて性能が良くなっている
・歯磨き粉の使い方だけでなく、正しい磨き方も学んで、予防効果を高めよう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。