小児矯正は、すべての治療が完了するまでに最低でも1年、長ければ3年ほどかかります。
親御さんの中には、「早く矯正治療を終わらせることはできないのか?」と思う方もいるかもしれませんが、残念ながら時間を短縮するのは難しいです。
ここからは、小児矯正に時間がかかる主な理由について解説したいと思います。
第一期治療、第二期治療があるから
小児矯正には、第一期治療と第二期治療が存在します。
第一期治療は、永久歯にすべて生え変わるまで、第二期治療は、永久歯が生え揃った後から行います。
また、小児矯正は基本的に第一期治療から始めるため、すべて永久歯に変わるまでの12~13歳くらいまで続き、その後第二期治療に移行する場合は、さらに治療が続くため、長く感じられるかもしれません。
しかし、小児矯正は子どもの顎の成長期間に合わせて行う必要があるため、こちらを早期に終わらせるということはできません。
少しずつ細胞が入れ替わる代謝を利用しているから
小児矯正は、装置によって歯に少しずつ圧力を加え、歯を支える骨の形を変えていく治療法です。
こちらは、歯を直接動かしているわけではなく、歯を支える骨を変形させ、結果として歯が動いています。
強い力を加えても、細胞の生まれ変わる早さは変わらず、急に歯が動くことはありません。
また、歯が動くスピードは、1ヶ月に1mm程度と言われています。
もし、無理に早く終わらそうとしたら、歯の周りの血管を圧迫してしまい、血流が滞ることで、代謝が低下し、歯が動きにくくなってしまいます。
そのため、細胞が入れ替わる代謝を利用し、じっくりと歯を動かさなければいけません。
保定期間があるから
小児矯正では、治療後に歯が元の位置や不正な位置に戻ってしまう後戻りという現象が生じます。
また、こちらを防ぐためには、矯正治療後にリテーナーという装置を使用し、歯を保定する保定期間が必要です。
そのため、どうしてもトータルの治療期間は長くなってしまいます。
もし、保定期間を設けなければ、歯が後戻りを起こし、せっかく長い年月をかけて行った矯正治療をやり直さなければいけなくなります。
まとめ
ここまで、小児矯正に時間がかかる理由について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
子どもの歯並びをキレイにしたいという親御さんは、決して「なるべく早く治療を終わらそう」と考えてはいけません。
もちろん、矯正期間中は子どもの負担も大きくなりますが、きちんと段階を踏んで治療しなければ、十分な矯正効果は得られませんし、後戻りによって無駄な費用がかかるおそれもあります。
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