歯を削らない治療のメリットとデメリットについて

近年、虫歯があっても歯を削らず治療できる方法が登場しています。

歯科クリニックで治療のためといっても、歯を削られるのが怖いと感じる患者様にとっては嬉しい治療法になります。

しかし、治療にデメリットがない訳ではありません。

歯を削らない治療のメリットとデメリットについて、解説しましょう。

歯を削らない治療の特徴

歯科クリニックで歯を削らない治療を選択した場合、レーザーを当てたり、薬剤を散布したりして治療を行います。

レーザーや薬剤の影響で、虫歯菌を殺菌したり、溶かしたりして治療をしていきます。

つまり歯を削らない分、別の方法で虫歯の治療を行っているのです。

代表的な治療法として、レーザー治療、ヒールオゾン治療、ドックスベストセメント治療などが歯科クリニックで紹介されます。

これらの用語を聞いた時は、歯を削らないと考えて構いません。

しかしながら、虫歯の進行状況によっては削らない治療が不可能な場合もあります。

治療可能かどうかは、歯科クリニックに判断してもらうことを覚えておきましょう。

歯を削らない治療のメリット

歯を削らない治療のメリットは、治療時の痛みが少ないことです。

歯科クリニックの治療で怖さを感じる要因の1つが取り除けますから、安心して治療に臨めます。

また、1回の治療範囲が広く、治療回数を少なくできることや、歯の神経を残したまま治療でき、歯の寿命を縮めにくいこともメリットになります。

歯の健康にとってもメリットのある治療になりますから、自分の歯を大切にしたい患者様にも向いている治療法になります。

歯を削る音や振動を感じなくても良いこともメリット

歯を削らない治療を受ける場合、当然独特な音や振動を感じることもありません。

こちらは歯科クリニックが苦手な方にとって大きなメリットです。

歯を削るときの音、振動が苦手で、なかなか歯科治療を受けられないという方は多いです。

特に子どもの場合、歯を削る治療によって歯科クリニックがトラウマになってしまうケースもよく見られます。

また器具が口内に入ることの異物感についても苦手な方は多いですが、歯を削らない治療であればこちらの負担も抑えられる可能性があります。

麻酔も基本的には不要

歯を削らない治療を受ける場合、基本的には麻酔を行う必要もありません。

歯科治療を行うときに限らず、注射が苦手な方は非常に多いです。

歯科治療では主に浸潤麻酔が使用されますが、こちらは注射で歯茎に注入するものであり、苦手な方にとっては大きな抵抗があるでしょう。

また歯科クリニックでは、浸潤麻酔の前に表面麻酔を行い、麻酔時の痛みを軽減させるのが一般的です。

しかし痛みを感じなくても、歯茎に注射針が入る感覚は残ります。

このような感覚すら回避したいという方は、歯を削らない治療を受けることをおすすめします。

ちなみに麻酔を行わない歯科治療であれば、治療後しばらく飲食ができなくなるなど、日常生活における支障が出ることもありません。

歯を削らない治療のデメリット

一方で、歯を削らない治療には、変色している状態の虫歯には対応できないこと、治療が失敗するケースがあることがデメリットとして挙げられます。

特に治療が失敗すると、虫歯が進行してしまう恐れがあるため、より悪化してしまい、歯を削らなければ対応できなくなってしまうことも考えられます。

さらに、保険適用されず、治療費が高額になってしまうこともデメリットになります。

歯を削ることへの恐怖心からは解放されますが、その分治療費が高くなることを理解した上で選択しなければなりません。

とはいえ、歯科クリニックが苦手な方にとって安心して治療を受けられる方法に変わりありません。

まずは歯科クリニックで治療可能かどうかを相談し、メリット・デメリットを踏まえた上で選択するようにしましょう。

有効性が不十分な治療もあるため注意が必要

歯を削らない治療など保険適用外の治療法については、海外で有効性が認められているものの、日本の法律では有効性が認められてないというケースがあります。

また治療に使用される器具や薬剤が、医療機器や医薬品としての認可を受けていないことも考えられます。

日本の歯科クリニックで採用されている歯を削らない治療は、当然安全性を確認した上で提供されています。

そのため、明らかに危険な治療を受けなければいけないことはほとんどないですが、治療の前には歯科医師から十分な説明を受けておきましょう。

代表的な歯を削らない治療の特徴

代表的な歯を削らない治療としては、レーザー治療やヒールオゾン治療、ドックベストセメント治療などがあります。

レーザー治療は、歯科治療用のレーザーを用いて虫歯治療を行うもので、虫歯部分だけ蒸発させることができます。

ヒールオゾン治療はオゾンを虫歯に照射することにより、99%の虫歯菌を殺菌します。

カナダやドイツを中心に、ヨーロッパ諸国や北米で広く行われている治療法です。

またドッグベストセメント治療は、ドックベストセメントと呼ばれる特殊な歯科薬剤を使用した治療法です。

ドックベストセメントは亜鉛や銅などのミネラル成分を含んだ高い殺菌力を持つ薬剤で、虫歯菌を殺菌して虫歯の進行を防止します。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・レーザーを当てたり、薬剤を散布したりするのが、歯を削らない治療

・痛みへの恐怖心がなくなり、治療回数が少なく、歯の寿命を伸ばせるメリットがある

・全ての虫歯に対応できない、治療費が高い、失敗するリスクがあることがデメリット

・治療可能な虫歯かどうかは、歯科クリニックで判断してもらおう

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。

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