歯周病は、主にプラークによる細菌の感染によって引き起こされる炎症性の疾患で、誰しもが発症する可能性を持っています。
また、こちらは免疫力と深く関係する病気であり、その人の免疫力によって、発症のリスクは大きく変わってきます。
ここからは、歯周病と免疫力の関係性について解説したいと思います。
免疫力が歯周病菌から身体を守っている
歯周病菌が口内で繁殖すると、こちらを排除するための免疫機能が働きます。
免疫とは、誰でも備わっているもので、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの異物から身体を守るシステムのことをいいます。
また、免疫機能が働いたことによる身体の反応は免疫反応と呼ばれます。
歯周病で言うと、歯茎の炎症などは免疫反応に当たります。
つまり、初期症状の歯周病では、身体の免疫力が働き、歯周病が悪化するのを食い止めることができるということです。
免疫力が下がると歯周病にかかりやすくなる
口内では、300種類もの菌たちがバランスを取り、共生し合っています。
しかし、身体の免疫機能が弱まると、口内の細菌のバランスが崩れ、歯周病菌が優位になります。
また、優位になり、力が強まった歯周病菌は、歯を支える骨(歯槽骨)をどんどん破壊していきます。
ちなみに、免疫機能は加齢とともに低下します。
特に、歯周病の発症率は30~40代に上昇するため、これくらいの年代の方は、歯周病予防のための歯磨きだけでなく、身体の免疫力を高め、口内の細菌のバランスを維持する必要があります。
免疫力を高める方法について
歯周病予防として免疫力を高めるには、まずバランスの良い食事を摂ることが大切です。
具体的には、炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養素をバランス良く摂取することが望ましいです。
また、質の良い睡眠も、体内のメラトニンというホルモン物質を増加させ、免疫力を高めることにつながります。
その他、無理のない適度な運動や、適度な水分補給なども、免疫力を高める方法として挙げられます。
ちなみに、喫煙や飲酒は免疫力の低下につながるため、歯周病予防の観点からはおすすめできません。
まとめ
ここまで、歯周病と免疫力の関係性について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
免疫が正常に機能しているからこそ、口内は歯周病菌が存在していても、重症化しないようになっています。
しかし、免疫力が低下すると、たちまち歯周病は悪化しやすくなりますし、身体全体における他の病気への耐性も下がってしまうため、日頃から免疫力を上げるための取り組みが必要です。
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