仕上げ磨きは、見えにくい部分、子ども自身では磨きにくい部分の歯の汚れまできちんと落とすために、親御さんが仕上げとして歯を磨くというものです。
小さな子を持つ親御さんは、仕上げ磨きの基本的なポイントを押さえ、少しでも虫歯のリスクを減らしてあげなければいけません。
今回はこちらの点について解説します。
仕上げ磨きの基本的な方法
仕上げ磨きをする際には、まず毛先を歯の面にまっすぐ当てるのがポイントです。
このとき、歯面だけでなく、歯と歯茎の境目、歯と歯の間にも当てることで、より汚れを落としやすくなります。
また、歯ブラシを動かす際は、150~200gくらいの軽い力で動かします。
目安としては、歯ブラシの毛先が広がらない程度です。
歯ブラシの動かし方については、5~10mmの幅を小刻みに動かし、1~2本ずつ磨くようにします。
ちなみに、プラークはなかなか簡単には取り切れないため、仕上げ磨きにかける時間は少なくとも3分以上を目安にしてください。
1ヶ所につき、20回以上磨くのもポイントです。
磨く歯によってポイントが異なる
仕上げ磨きの基本的な方法は前述の通りですが、どの歯を磨くのかによってポイントやコツは変わってきます。
前歯を磨くときは、上唇と歯茎をつないでいる部分に歯ブラシが当たるとき、子どもが痛がらないように注意してください。
上唇を持ち上げ、歯と歯茎の筋の部分を指で隠すようにして磨くと、それほど痛みを与えることなく磨けます。
また奥歯については、歯ブラシを奥から手前に動かすようにブラッシングします。
乳歯は奥歯が2本であるため、それほど磨くのは難しくありませんが、奥歯はプラークが残りやすい部分であるため、より丁寧に磨きましょう。
もちろん丁寧に磨かなければいけないからといって、強い力をかけるのは禁物です。
仕上げ磨きに使用する歯ブラシの選び方
仕上げ磨きに使用する歯ブラシを選ぶ際は、ハンドルや毛先、ヘッドの厚みをチェックしましょう。
ハンドルに関しては、親御さんがペングリップで持ちやすい形状のハンドルで、子どもの奥歯までしっかりと届く長さのものを選びます。
また、ヘッドは薄くてコンパクトなものがおすすめです。
薄ければ薄いほど、子どもの小さな口でも隅々まで磨きやすくなります。
ちなみに、毛先については、なるべく子どもの口内を傷付けないように、やわらかめのものを選ぶべきです。
その他のアイテムの選び方
仕上げ磨きに使用する歯磨き粉は、虫歯予防効果の高いフッ素入りのものがおすすめです。
味については、フルーツ味など子どもが好むものを選ぶことで、仕上げ磨きへの抵抗を減らせる可能性があります。
また歯ブラシだけでなく、デンタルフロスやタフトブラシを使用するのもポイントです。
デンタルフロスは、前歯と前歯の間などを磨くときに適しています。
ヘッドの小さいタフトブラシについては、乳歯と永久歯が混在している子どもの歯を磨く際、小回りがきくため非常に役立ちます。
仕上げ磨きの姿勢
仕上げ磨きを行う際は、子どもの口内が見やすく、安全で歯磨きがしやすい姿勢を取るべきです。
具体的には、親御さんが後ろに回り、子どもの頭を膝の上やお腹、脇でしっかり固定してあげるのがおすすめです。
また、仕上げ磨きの際に動いてしまう小さな子どもの場合は、寝かせた状態で肩のあたりから腕を挟み、またがって座るようにして磨いてあげると、動きが少なくなり、スムーズに磨くことができます。
ただし、子どもが嫌がる場合には、無理をせずもっとも楽な姿勢を探してあげましょう。
仕上げ磨きを行う年齢
仕上げ磨きは、永久歯が生え揃う10~12歳頃まで行うようにしましょう。
乳歯から永久歯に生え変わる時期は、歯と歯の間に隙間ができたり、歯の高さがバラバラになったりします。
そのため、場所によっては歯ブラシが届きにくく、プラークが残ってしまう可能性があります。
特に生えたばかりの奥歯は、溝が深く汚れが溜まりやすいため、丁寧に仕上げ磨きをしなければいけません。
ただし小学校高学年にもなると、親御さんの仕上げ磨きを嫌がる子どももいるでしょう。
あまりにも嫌がる場合、基本的には本人に磨いてもらい、親御さんは汚れが残りやすい部分のチェックと仕上げ磨きのみを行ってください。
仕上げ磨きをスムーズに進めるコツ
仕上げ磨きは、なるべく素早く行うようにしましょう。
早く終わらせることで子どもの負担を軽減し、なおかつ協力を得やすくなります。
ただし素早く行うのが重要だからといって、手を抜いてはいけません。
毎日の磨き方や順番を決めて磨くことで、素早さと丁寧さを両立させることが大切です。
また歯磨きは毎日繰り返す作業であり、子どもにとっては退屈な時間です。
そのため、歌ったり楽しい話をしたりして、少しでも仕上げ磨きの時間を楽しくすることが重要です。
ちなみに、あまりも機嫌が悪いときは、無理に仕上げ磨きを行わないようにしましょう。
これは仕上げ磨きをルーティンとして習慣づける上で、逆効果になる可能性があります。
まとめ
ここまで、子どもの仕上げ磨きにおける基本的なポイントをまとめて解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
どれだけ親御さんが正しく指導したとしても、子ども自身で除去できる歯の汚れには限界があります。
そのため、仕上げ磨きや歯の変色、穴などのチェックは徹底して行い、少しでも異変を感じた場合には、早急に歯科クリニックに相談してください。
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