小児矯正は、乳歯と永久歯が混ざった6~10歳頃に、第一期治療を始めるのが一般的です。
もちろん、こちらの時期より遅くなっても、矯正が不可能になることはありませんが、上記の時期と比べると問題が発生しやすくなります。
ここからは、小児矯正の時期が遅れることのデメリットについて解説します。
見た目が気になる
一般的に、6~10歳頃の小児矯正で用いられる矯正装置は、床矯正などの着脱式のものです。
一方、中学生などになると、歯にブラケットやワイヤーの装置が固定されるため、見た目がかなり目立ってしまいます。
思春期の子どもは、異性からの見え方も気になる年頃ですので、矯正の時期が遅れることにより、人前で話しにくくなったり、笑いにくくなったりする可能性があります。
生活に支障が出やすくなる
前述の通り、小児矯正の時期が遅くなると、矯正装置は着脱式のものから、固定式のブラケットやワイヤーに変わります。
また、こちらは見た目が目立つだけでなく、食事や学校生活などにも支障が出る可能性があります。
中学生くらいの子どもは、6~10歳頃と比べて食への興味も深くなり、大人が好むようなものも口にするようになります。
しかし、ブラケットやワイヤーで固定されていると、食べ物の選択肢は限られてしまいますし、虫歯や歯周病のリスクも高くなります。
その他、中学生には部活動を始める子も多いですが、固定式の矯正装置を付けたままだと、激しいスポーツや管楽器の演奏などを行ったとき、口内が傷つきやすくなるおそれがあります。
治療費や身体への負担が大きくなる
小児矯正を始める時期として適している6~10歳頃は、乳歯と永久歯が混ざった混合歯列期という時期であり、顎の成長が著しい時期でもあります。
そのため、こちらの時期から矯正を行うことにより、顎の成長がコントロールしやすく、同時に歯を動かせるため、治療費も抑えられます。
一方、中学生くらいの時期から小児矯正を始める場合、顎の成長はかなり緩やかになっていて、場合によってはほとんど完成していることもあります。
このような場合、抜歯をして永久歯が移動できるスペースをつくらなければいけない可能性があるため、治療費も身体への負担も大きくなります。
将来の治療期間が長くなる
小児矯正を行うべき時期に行わないと、将来の矯正治療における期間が長くなるおそれもあります。
子どものうちに矯正しておくことで、ある程度顎の成長や噛み合わせが整うため、大人になってから矯正治療を受けるよりも、第二期治療が短くなります。
場合によっては、第二期治療を受けなくても良い可能性もあります。
一方第一期治療が遅れると、すでに成長が止まりつつある段階で矯正治療を行わなければいけません。
そのため、第二期治療にかかる時間は長くなりやすいです。
悪習慣が改善できない
小児矯正を始める時期が遅れると、悪習慣が改善できない可能性もあります。
ここでいう悪習慣とは、指しゃぶりや舌癖など、歯並びや噛み合わせの悪化を招く癖のことを指しています。
子どものうちから早めに矯正治療を行っていれば、口内に矯正器具が入ることから、このような悪習慣も同時に改善できます。
また矯正治療と並行して口周りのトレーニングを行うことで、健やかな発育と咀嚼機能の改善につながります。
しかし小児矯正を始める時期が遅い場合、すでに子どもの悪習慣はかなり癖づいてしまっている可能性があります。
そのため中学生くらいになっても指しゃぶりの癖が抜けないなど、歯並びや嚙み合わせが悪化しやすいだけでなく、周りの目も気になるようになります。
第一期治療で用いられる主な矯正装置
第一期治療では主に可撤式矯正装置、固定式矯正装置のいずれかを使用します。
可撤式矯正装置は、取り外しができる装置であり、代表的なものにはマウスピースが挙げられます。
取り外しが可能なため、食事やブラッシングをいつも通り行えるのがメリットです。
また固定式矯正装置は、患者さん自身で取り外せない装置で、主にワイヤー矯正などが該当します。
口内に固定されるため紛失の心配がなく、可撤式のように装着時間を管理する必要もありません。
小児矯正における注意点
小児矯正はなるべく早く行うことが大切ですが、子どもの力だけでは矯正装置の使用や手入れ、口内の衛生管理を徹底することが難しいです。
可撤式の場合は勝手に取り外してしまったり、固定式の場合はうまくブラッシングができず、虫歯を発症したりすることがあります。
そのため、親御さんの協力や指導、管理が必要になります。
また親御さんのサポートは、矯正治療そのものの指導や管理だけにとどまりません。
子どもに与える食事の内容についても、工夫する必要があります。
具体的には、硬い食べ物や粘着性のあるものを避けることが望ましいです。
このような食べ物は矯正装置を傷つけたり、外れやすくしたりするため、もし食べ与えるのであれば小さくカットするなどの工夫が必要です。
まとめ
ここまで、小児矯正の時期が遅れることのデメリットを解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
小児矯正は、早ければ早いほど良いというわけではありませんが、適したタイミングでの矯正を逃すと、子ども自身はもちろん、その親御さんにとっても問題が生じやすいです。
そのため、混合歯列期の子を持つ親御さんは、早めに歯科クリニックに相談してください。
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