歯の黄ばみを白くするために行われるホワイトニング。
タバコのヤニが原因で黄ばんでしまい、ホワイトニングを受けられる患者様は珍しくありません。
ですが、いくらホワイトニングのためとはいえ、禁煙するのは辛いと感じる方もいるでしょう。
ホワイトニング中は、タバコを吸っても大丈夫なのでしょうか?
ホワイトニングのためにタバコは止めるべき?
結論から言うと、ホワイトニングのためにタバコを止めなければならない、ということはありません。
禁煙した上でホワイトニングを受けてもらうと、歯が白くなる効果を強く実感できます。
とはいえ、禁煙が厳しい場合でも、効果が得られないことになりません。
歯科クリニックで、通院回数と得られる効果を調整した上で治療を行いますので、問題なくホワイトニングは受けられます。
ホワイトニング後にタバコを控える時間
オフィスホワイトニングを受けた後は、タバコを24時間控えなければなりません。
なぜなら、オフィスホワイトニング後は歯を保護するミネラルとペクリル層が失われているからです。
これらが失われている状態は、非常に歯が着色しやすくなっています。
そこにヤニによって着色がなされてしまうと、せっかくのホワイトニングの効果が得られなくなってしまうのです。
そのため、治療後24時間は禁煙するのが望ましいです。
補足ですが、タバコのヤニ以外にも、着色しやすい食べ物、飲み物を治療後24時間以内に飲んでしまうと、ホワイトニングの効果が得られません。
基本的に着色しやすいものには、注意すべきです。
ホワイトニング後に避けるべき食べ物や飲み物
ホワイトニング直後は、タバコを吸うべきではないという話をしましたが、他にも控えるべきものはあります。
まず避けたいのが、以下のような色の濃い食べ物や飲み物です。
・チョコレート
・お茶
・コーヒー
・ワイン
・カレー
・ベリー系の果物
・ソース、ケチャップ など
色の濃い食べ物や飲み物は、歯に色素が沈着する原因になります。
またワインやコーヒーに含まれるポリフェノール、緑茶や紅茶に含まれるカテキンなども、着色汚れにつながります。
さらに、ホワイトニング直後は以下のような酸性の強い食べ物、飲み物も避けるようにしましょう。
・レモン
・イチゴ
・梅干し
・炭酸飲料
・スポーツドリンク
・乳酸菌飲料 など
ホワイトニング直後のエナメル質が剥き出しになっているときに酸性の飲食物を摂取すると、歯の表面のカルシウムが溶け出します。
その結果歯の表面を荒らしたり、着色しやすくなったりするため、注意してください。
ちなみに、イソフラボンが含まれる納豆や豆腐なども、ホワイトニング直後は摂取すべきではありません。
イソフラボンはポリフェノールの一種であり、歯を黄色く着色する原因になります。
タバコにおける着色以外の影響
ホワイトニング中に限らず、タバコは口内にさまざまな悪影響を及ぼします。
そのため、やはり基本的には吸わないことが望ましいです。
具体的には、歯周病になりやすくなったり、歯茎が黒ずんだりといったデメリットが考えられます。
タバコの煙に含まれる一酸化炭素は、細胞組織の酸素供給を妨げます。
さらにニコチンは一種の神経毒であり、血管を収縮させることが考えられます。
血管が収縮すると血液の流れが悪化し、歯や歯茎に十分な酸素が行き渡らなくなってしまいます。
その結果、歯周病を発症しやすくなります。
また、喫煙は血流を悪化させ、ニコチンによる作用でビタミンCを破壊します。
こちらの影響を受けた歯茎は、メラニン色素が沈着し、黒っぽい色に変色してしまいます。
ホワイトニングの効果を継続してタバコを吸いたい時は
ホワイトニングの効果を継続しつつタバコを吸いたい時は、ヤニの影響を抑えるケアを一緒にしましょう。
その方法は、着色汚れに特化した歯磨き粉を使用すること、喫煙後に口をゆすぐことです。
これらの方法で、ヤニが歯に付着したままの状態を少なくすることができます。
また状況によっては、大掛かりな治療がなくても定期的な歯のクリーニングを受けることで、ホワイトニングの効果を維持し続けることも可能です。
タバコの場合、体質の他に喫煙量もホワイトニングを左右する要素になります。
理想のホワイトニングの実現には、タバコとの付き合い方を見直す必要がある場合もあります。
患者様にあったケアを、歯科クリニックで探していきましょう。
ヤニを取るアイテムを使用するのもおすすめ
ホワイトイングの効果を継続しながらタバコを吸う場合は、ヤニ取りパイプを使用するのもおすすめです。
ヤニ取りパイプは、タバコに装着して喫煙することで、口内に入るタールやニコチンの量を減らしてくれるというものです。
タバコの味自体は変わらないため、いつも通り喫煙を楽しめます。
また、ヤニ取り用の歯磨き粉を使用することでも、ヤニが付着しにくくなります。
以下の成分が含まれている歯磨きは、ヤニ取り効果があることが厚生労働省で定められているため、商品の成分表示を確認した上で購入しましょう。
・ポリリン酸ナトリウム
・ポリエチレングリコール
・ポリビニルピロリドン
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・ホワイトニングのためにタバコを止める必要はない
・禁煙した上でホワイトニングを受けた方が、効果は得やすい
・ホワイトニング後24時間は、タバコを控えた方がいい
・効果を維持しながらタバコを吸いたい時は、ヤニの影響を抑えるケアを一緒にしよう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。