ジェルタイプの歯磨き粉の使い方について

これから、ジェルタイプの歯磨き粉を使ってみようと思っている患者様はいませんか?

基本的な使い方は普通の歯磨きと同じですが、何も考えずにただ磨いているだけではいけません。

実は、ジェルタイプの歯磨き粉の成分を活かすことができる使い方があるのです。

効果的な使い方を知って、日々のケアの質を高めてみませんか?

通常の歯磨き粉とジェルタイプの歯磨き粉の違い

通常の歯磨き粉は、ある程度硬さのある白いペースト状であるのに対し、ジェルタイプの歯磨き粉は透明でやわらかいのが特徴です。

こちらの色の違いには、発泡剤と研磨剤の2つの成分が関係しています。

基本的に研磨剤と発泡剤が含まれるのがペースト状の歯磨き粉であるのに対し、研磨剤も発泡剤も含まれないものがジェルタイプの歯磨き粉です。

研磨剤は、歯の表面についたプラークや着色汚れを細かい研磨剤の粒子で落としやすくする働きがあります。

炭酸カルシウムやリン酸水素カルシウム、無水ケイ酸などが研磨剤に該当します。

また発泡剤は歯磨き粉を泡立て、口内に歯磨き粉の成分を行き渡らせることで、食べカスやプラークなどの汚れを落ちやすくするのが役割です。

ジェルタイプの歯磨き粉が向いている人

ジェルタイプの歯磨き粉は、以下のような方に向いています。

・虫歯予防、歯周病予防をしたい人
・電動歯ブラシを使用している人
・インプラントを入れている人
・知覚過敏の方
・子ども
・高齢者の方 など

ジェルタイプの歯磨き粉には研磨剤が含まれていないため、研磨成分によって歯や歯茎を傷つける心配がほとんどありません。

また発泡剤無配合や低発泡の商品も多いため、口の中が泡だらけにならず、隅々まで丁寧に磨くことができます。

ジェルタイプの歯磨き粉の使い方~①夜の歯磨きに使用する~

まずジェルタイプの歯磨き粉は、ジェル状であるため、歯磨き粉に含まれている成分が歯に浸透しやすいメリットがあります。

このメリットを最大限に活かすならば、歯磨きで使用するベストなタイミングは“夜”になります。

加えて、歯磨きをした後に少量の水で1回ゆすぐだけで、歯磨き粉の成分が流れてしまうことを防げます。

もちろん、ジェルタイプの歯磨き粉の使い方は、夜に限らず、1日のどのタイミングで使用しても構いません。

より予防効果を高めたいと考えている患者様は、夜は絶対にジェルタイプで磨くと決めておきましょう。

ジェルタイプの歯磨き粉の使い方~②仕上げ磨きで使う~

ジェルタイプの歯磨き粉は、汚れを落とす時に使うだけでなく、ダブルブラッシングの仕上げ磨きで使う使い方もあります。

仕上げ磨きで使用する場合、すでに汚れが落ちている状態ですから、歯に歯磨き粉の成分が浸透しやすい環境が整っています。

そのため、予防効果を高められるのです。

この使い方は、大人だけでなく、子どもの歯磨きにも活かすことができます。

子どもの虫歯やその他のトラブルが気になる場合は、仕上げ磨きにはジェルタイプの歯磨きを使うようにしてみてください。

ジェルタイプの歯磨き粉は刺激が少ない商品が多いですから、子どもでも不快感なく使用できるはずです。

ジェルタイプの歯磨き粉の使い方~③研磨剤入りと併用する~

最後にご紹介するジェルタイプの歯磨き粉の使い方は、研磨剤入りの歯磨き粉と併用しながら使うことです。

メリットの多いジェルタイプの歯磨き粉ですが、着色汚れを落とすことができないデメリットがあります。

着色汚れが気になる時は、研磨剤入りの歯磨き粉を使用するしかありません。

ですので、ダブルブラッシングをする際に、先に研磨剤入り、次にジェルタイプの歯磨き粉の順番で磨くようにしてみましょう。

この使い方だと、着色汚れと予防を両立することができます。

その他にも、着色汚れは歯科クリニックで対応してもらえます。

セルフケアで効果が得られない時は、歯科クリニックで落としてもらいましょう。

ジェルタイプの歯磨き粉における正しい磨き方

ジェルタイプの歯磨き粉でブラッシングをする際は、まず年齢に応じた適正量を歯ブラシに乗せます。

6ヶ月~2歳くらいまでは、切った爪程度の少量を使用し、3~5歳は5mm以下が適量です。

6~14歳くらいになると1cm程度、15歳以上は1~2cm程度を歯ブラシの上に乗せます。

ブラッシングするときは、歯全体にジェルを塗布することをイメージしながら、約30秒間ブラッシングします。

ブラッシング後は軽くジェルを吐き出し、効果が薄れないように1回だけ口をゆすぎます。

ちなみにゆすぐ際の水の量は3~5歳頃で5~10ml程度、6~14歳以上で10~15ml程度です。

ジェルタイプの歯磨き粉の選び方

ジェルタイプの歯磨き粉を選ぶ場合、フッ素配合のものを選ぶのがおすすめです。

フッ素はフッ化物、フッ素化合物と呼ばれるもので、歯質の強化やプラークの細菌活動の抑制、エナメル質の再石灰化といった効果があります。

赤ちゃんや子どもに対しては、甘いフレーバーのものやすすぎ不要のものなどが適しています。

赤ちゃん・子ども用の歯磨き粉には、イチゴやブドウ、オレンジといったフルーツ味のものもあるため、慣れ親しんでもらうにはこのようなフレーバーのものがおすすめです。

また子どもがきちんとうがいができるようになるのは1歳半~2歳半くらいであるため、うがいが上手ではないうちはうがい不要、すすぎ不要の商品を選びましょう。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・ジェルタイプの歯磨き粉は、夜の歯磨きで使用すると良い

・ジェルタイプを仕上げ磨きで使う使い方だと、汚れの取れた歯に成分を浸透させられる

・子どもの仕上げ磨きで使用する際も、不快感が少なく使用しやすい

・着色汚れには不向きなため、研磨剤入りの歯磨き粉と併用すると良い

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。

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