抜歯による治療には、出血が伴います。
特に抗血栓薬を服用されている患者様は、薬の影響で血がサラサラになっていることから、適切な治療をするために、歯科クリニックに伝えなければなりません。
その際、薬の服用をストップしなければならないのでしょうか?
本記事では、抜歯時の抗血栓薬の対応についてご説明します。
抜歯時に抗血栓薬は服用してもいい
抗血栓薬とは、血栓ができるのを防ぐための薬になります。
代表的な薬として、ワーファリン、エパデール、プラビックスなどがあります。
結論を言うと、抜歯のためといっても、抗血栓薬の服用をやめることはしないでください。
なぜなら、抗血栓薬の服用をやめてしまうことで、血栓ができ、それが原因で発作を起こしてしまう恐れがあるからです。
「抜歯の時に血が止まらなくなるのが怖い」と感じてしまう患者様が多いですが、歯科クリニックで1番恐れているのは発作が起き、重大なトラブルが発生することです。
歯科クリニックでは抗血栓薬を服用している患者様に対して、適切な止血処置を行いますから、血が止まらなくなることはありません。
薬の服用をやめることは命の危険にも繋がりますから、いつも通り服用して治療を受けるようにしましょう。
抜歯時に抗血栓薬“ワーファリン”を服用していた場合の注意点
抜歯時に抗血栓薬ワーファリンを服用していた場合は、単に薬を服用していることだけでなく、INR値の検査結果も伝える必要があります。
これは血液の凝固指数を表しており、治療当日に検査を受けてもらい、その数値を確認することで、不測の事態なく治療をすることが可能になります。
INR値3.0以下が抜歯時のトラブルなく行える数値になりますから、安心して治療を行うためにも重要なことになるのです。
他の薬を服用している患者様は、かかりつけの歯科クリニックの対応をきちんと確認するようにしましょう。
場合によっては、口腔外科などのある大学病院や総合病院で抜歯を勧められることもありますので、その都度指示に従ってください。
抜歯時に抗血栓薬を飲んでいても安心して治療できる体制がある
歯科クリニックでは、抜歯時に抗血栓薬を服用していても、医科の主治医と連携して治療を進めていきます。
状況によっては薬のコントロールをしてもらい、治療に支障がないよう安心して治療を受けられるよう環境調整をしていきます。
今回は抗血栓薬についてご説明しましたが、他の薬を服用していて不安な時も歯科クリニックに相談してみてください。
治療に影響がないかどうか、納得できるまで説明してくれます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・抜歯時に抗血栓薬を服用していても、問題なく治療が受けられる
・ワーファリンを服用している時は、INR値を歯科クリニックに伝える
・服用している薬によっては、大学病院などで治療を受けるように勧められることがある
・医科の主治医と連携して治療を行うため、安心して治療が受けられる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。