患者様の中には、治療時の痛みに恐怖心を抱いている方もいます。
しかし近年は無痛治療を積極的に行っているところが増え、治療時に恐怖心を抱く患者様が少なくなってきました。
ところで、無痛治療といってもその方法は多岐に渡ります。
今回は無痛治療の中から、笑気麻酔について解説しましょう。
無痛治療における笑気麻酔とは?
無痛治療とは、痛みを感じさせずに治療を行うことを言います。
その代表例には、全身麻酔が挙げられます。
これは外科手術をする際に、ほとんど眠っている状態にし、治療時の痛みや振動等を感じさせないようにする方法です。
歯科クリニックでは、無痛治療の一つとして笑気麻酔を行っているところがあります。
笑気麻酔とは、笑気ガスを患者様に吸引してもらい、リラックスした状態にする方法になります。
点滴で麻酔薬を投入する方法とは違い、心臓に病気を抱えている方や血圧の高い方でも行えるメリットがあります。
子どもの歯科治療の際にもよく用いられる方法ですので、一般的な麻酔の一つとも言えます。
無痛治療で笑気麻酔を使用した時のリラックスした状態とは?
無痛治療で笑気麻酔を選択した場合、意識が全くなくなる訳ではありません。
体感的には、飲酒した時に程よく酔えている感じになりますので、フワフワとしたり、手足が暖かくなったりする状態になります。
また、吸引をやめると意識の回復が早くなりますので、治療後数分で帰宅できます。
他の麻酔と比べると、覚醒するまでの時間が短時間で済みますから、気軽に治療を受けやすいメリットもあるのです。
麻酔と聞くと大掛かりな治療になり、大変だというイメージが強いですが、笑気麻酔は様々な治療に使用されています。
治療時の痛みだけでなく、治療自体に不安を感じている患者様にも使用されることがありますから、味方にすると心強い存在になります。
笑気麻酔の一般的な流れ
笑気麻酔を行う際は、まず歯科医師から笑気麻酔についての説明が行われます。
その後、鼻から笑気を吸入し、そのままの状態で数分待ちます。
吸入から数分で徐々に効果が現れ、気分が良くなったり、手足がジンジンしたり、身体がポカポカしてきたりすれば鎮静状態です。
完全に鎮静状態であることが確認できたら、虫歯治療などの歯科治療が実施されます。
痛みが出るようであれば、局所麻酔も併用します。
治療が完了したら笑気の吸入を中止し、10分ほど様子を見て問題がなければ、そのまま帰宅することができます。
笑気麻酔が向いている人の特徴
笑気麻酔が向いているのは、痛みが苦手な方や麻酔注射が苦手な方です。
笑気麻酔は一般的な局所麻酔とは違い、注射器を使用することがありませんし、それに伴う痛みも当然発生しません。
また口内に異物が入ると吐き気を感じる、いわゆる嘔吐反射がある方にも、笑気ガスを吸入するだけの笑気麻酔は向いていると言えます。
さらに歯科治療全般にトラウマがある方、恐怖心の強いお子さん、長時間座っていることが苦痛で仕方ない方にも、笑気麻酔は適しています。
これまで、辛さを我慢するしかないと思っていた上記に該当する方でも、遠慮なく笑気麻酔を希望することを伝えましょう。
笑気麻酔の費用について
笑気麻酔は、歯科治療におけるオプションであるため、費用が高額にならないか心配している方もいるかと思います。
しかし、実際は保険が適用されるため、そこまで高額になることはありません。
自己負担の割合にもよりますが、3割負担の患者さんであれば、負担は30分につき500~1,500円程度と考えて良いでしょう。
ちなみに、負担する金額については使用する笑気の濃度によって異なるため、都度確認が必要です。
無痛治療で笑気麻酔を希望しても使用できないケースも
ところが、無痛治療で笑気麻酔を希望しても、呼吸疾患や鼻呼吸ができない事情を抱えている患者様は使用できません。
また、パニック障害の症状を抱えている患者様も使用できませんから、他の方法で治療を受けることを考えなければなりません。
笑気麻酔の使用を検討している場合は、使用しても問題ないかどうか、歯科クリニックに相談してみましょう。
治療時の恐怖心がなくすために、活用してみてはいかがでしょうか?
その他笑気麻酔を受ける際に注意したい人の特徴
上記以外でいうと、中耳炎や目の手術を行った方も、笑気麻酔は受けないことをおすすめします。
笑気ガスは血液に溶け、身体の中の空間に蓄積されやすくなります。
そのため、中耳炎などで耳管が閉鎖している方は、内圧の上昇時に耳が痛くなる可能性があります。
また網膜剥離などの手術をするときにはガスを使用しますが、笑気麻酔を使用した場合、こちらのガスと笑気ガスが置き換わってしまいます。
このようなケースでは、手術後のガスがなくなるまで笑気ガスを使用できません。
ちなみに妊娠している方も、笑気麻酔は避けることが推奨されています。
特に妊娠初期(15週くらいまで)の方は、笑気麻酔の使用によって胎児に奇形が発生する可能性があることが報告されています。
必ずしも奇形が現れるわけではありませんが、リスクがある以上使用することは避けるべきです。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・無痛治療の種類の一つ笑気麻酔は、笑気ガスを吸引しリラックスした状態にする方法
・笑気麻酔を使用すると、フワフワしたり手足が暖かくなったりする
・呼吸疾患等の病気や鼻呼吸ができない事情を抱えている場合は使用できない
・治療時の恐怖心をなくす方法の一つとして、検討してみよう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。