朝に歯痛がある場合の原因と対処法について

朝、目が覚めた時、何となく歯が痛いという経験はありませんか?

歯が痛むことは、何らかのトラブルが起きているサインです。

朝に歯痛がある場合の原因を知ると、適切な対処法ができるだけでなく、更なるトラブルへの発展を防ぐことができます。

気になる内容について、早速見てみましょう。

朝に歯痛があるのは歯ぎしり、食いしばりの影響

朝に歯痛がある場合は、就寝中の歯ぎしりや食いしばりが原因になります。

歯や歯茎に長時間強い力が加わると、その影響で痛みが残ってしまいます。

それが軽度の場合ならば、朝のみ痛みを感じ、その後は痛みが引いて通常の状態に戻ります。

しかし、力加減が強かったり、頻繁に歯ぎしりや食いしばりがあったりする状態が続いてしまうと、歯にひびが入ってしまう恐れがあります。

歯にひびが入ると、知覚過敏になってしまいますから、歯が染みやすい状態になってしまうのです。

ですが、歯のひびは普段からカルシウムを摂取していると、時間をかけて修復されますから、知覚過敏も一時的な症状で済みます。

歯ぎしりや食いしばりの種類について

就寝中の歯ぎしりや食いしばりには、主に以下の3つの種類があります。

・グラインディング
・クレンチング
・タッピング

グレインディングは、上下の歯をすり合わせる運動であり、ギリギリといった音を出すのが特徴の歯ぎしりです。

もっとも歯に与えるダメージが大きく、歯が擦り減って平らになったり、亀裂が入ったりする原因になります。

またクレンチングは、上下の歯を強く噛みしめるもので、食いしばりはこちらに該当します。

クレンチングを行っている方は、頬の筋肉に力が入るため、硬く膨らんで見えることがあります。

ちなみに、タッピングは上下の歯を動的にカチカチと噛み合わせる動作です。

これらの悪癖を総称してブラキシズムといい、特にクレンチングは気付いたら歯を食いしばっていたり、噛み締めていたりするのが特徴です。

朝の歯痛は副鼻腔炎が原因の可能性も

朝に歯痛がある場合、副鼻腔炎を患っている可能性もあります。

上顎のすぐ上に位置する上顎洞(副鼻腔)に炎症が起こると、位置が近い奥歯に痛みや違和感が出ることがあります。

また、膿が混ざった鼻水が副鼻腔に溜まり、神経を圧迫されることによって痛みを感じる可能性もあります。

後ほど解説しますが、副鼻腔炎が原因の場合は、ブラキシズムなどとはまた別の治療を行わなければいけません。

睡眠時の姿勢が悪いことが原因の歯痛もある

朝起きたときに歯痛がある方は、睡眠時の姿勢が悪いことも考えられます。

日本人の平均睡眠時間は、およそ7時間だと言われています。

このような長い時間、無理のある姿勢で眠ってしまうと、歯や顎に負担をかける原因になります。

例えばうつ伏せで眠っている場合、敷布団やベッドマットに顔を押し付けた状態になります。

横向きで寝ている場合も同様に、片側だけに長時間負担をかけてしまうことになります。

これらの理由から、朝起きたときに歯や顎の痛みを感じます。

また、寝るときの姿勢が悪いことが原因で、噛み合わせが悪くなり、痛みが出ている場合もあります。

放置すると顎関節症につながることもあるため、朝歯が痛い場合は、眠り方や寝具も見直すことをおすすめします。

朝に歯痛があることが常習的になると…

ところが、朝に歯痛があることが常習的になると、歯の修復する力が衰えてしまい、回復することができません。

その結果、毎朝歯痛がある状態になってしまうのです。

日常生活を送る上で、苦痛を抱えてしまうのは嫌なはずです。

また、歯痛が常習的になると、歯周病や虫歯になるリスクを高めることになります。

これも、歯の修復力が衰えている影響になりますから、軽視してはいけません。

より症状が悪化した際には、歯が割れてしまうことも考えられます。

最悪の事態を回避するための方法は、一つです。

朝の歯痛はマウスピースで解消できる

朝の歯痛でお悩みの患者様は、是非マウスピースの使用を検討してみて下さい。

マウスピースを使用すると、歯や歯茎に伝わるダメージを分散してくれますから、力がかかりすぎてしまうことを防いでくれます。

保険対応の場合は3000円程度で作ることができますから、費用面を気にされている患者様でも安心して使用できます。

歯ぎしりや食いしばりに自覚症状がある方は、歯周病や虫歯トラブルに発展する前にマウスピースで対処しておきましょう。

歯科クリニックではいつでも相談を受け付けていますので、今から治療を始めても遅くありません。

副鼻腔炎の対処法

副鼻腔炎が原因で朝の歯痛を生じている場合は、まず蒸しタオルを鼻の上に置く、鼻うがいをするといったセルフケアで対処します。

それでも改善できない場合は、抗生物質を服用したり、ステロイドの点鼻薬を使用したりして、炎症を抑えることが大切です。

また、対症療法を数ヶ月行っても効果が見られない場合は、根本治療として手術を選択することも考えられます。

代表的な副鼻腔炎の手術には、内視鏡で歯の通り道を広げ、腫れた粘膜やポリープを除去する内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)などがあります。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・朝に歯痛があるのは、就寝中の歯ぎしり、食いしばりが原因

・軽度の場合は、歯にトラブルが生じても歯の修復によって改善されることがある

・常習的になると、歯周病や虫歯等のトラブルに発展することもある

・朝の歯痛を取り除くためには、マウスピースを装着して就寝しよう

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。

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