虫歯は、トラブルの原因を探り治療することで改善できます。
しかし、歯周病はそうはいきません。
歯周病の進行を抑えることはできても、原因となる菌にダメージを与える治療薬は存在しないのです。
何故、歯周病には治療薬がないのでしょうか?
今回は、この疑問に迫ります。
歯周病に治療薬がない理由
虫歯と違い、歯周病を根絶するための治療薬がないのには、人間の体にある“免疫力”が関係しています。
歯周病は、根本となる菌が活発になっていることで起こるものではありません。
体質によっては、そもそもケアをしっかりとしていても、歯周病になってしまう可能性があるのです。
また、免疫力の影響は体質の問題だけでなく、日頃の生活習慣も関わってきます。
ストレスが多く、不規則な生活をしている場合、いくら歯のケアをしていても体の免疫力が落ちてしまい、菌に対抗できません。
歯周病の治療が虫歯よりも難しいのは、このような事情があるためです。
仮に効果的な治療薬が開発されたとしても、患者様の免疫力の問題が解消されない限り、延々と治療を繰り返してしまう可能性が十分にあります。
よって、治療薬では問題の解決に至らないことを覚えておきましょう。
歯周病の正体が分からないために治療薬が開発できない
また、歯周病の治療薬を開発するためには、数々の症状を引き起こす“菌”について知らなければなりません。
歯科クリニックで歯周病の説明をする際は、便宜上“歯周病菌”と呼んでいます。
しかし、医学が発達している今でも、歯周病の菌について明確なことは分かっていません。
菌のメカニズムが分かっていないと、治療薬を開発しても、また菌が発生してしまう可能性があるのです。
さらに、歯周病の原因となる菌はどこから侵入しているのか、まだ分かっていない状態です。
菌の侵入を防ぐ手段も不明なままですから、防ぎようがないと言っても過言ではありません。
体質的な問題だけでなく、病気のメカニズムにも不明点が多いですから、治療薬よりもまず菌の謎の解明が優先されている状況になるのです。
歯周病に治療薬がないからこそ日頃から対処を
歯周病にはまだ治療薬がありませんから、日頃のケアで進行を抑える、予防するしか対処法がありません。
しかし、症状によってはセルフケアでの対処が難しい場合も出てきます。
そのような時は、早めに歯科クリニックを受診し、症状の進行を止め、抑えるための治療を受けるようにしましょう。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯周病の発症には、人間の免疫力が関連しているため、治療薬の開発が難しい
・歯周病の原因となる“菌”についても、詳しいことが分かっていない
・歯周病菌の侵入経路も不明なため、滅菌できても再発する可能性が十分にある
・現段階では、日頃のケアと歯科クリニックでの治療しか対処法がない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。