オーラルケアにおいて、舌磨きも忘れてはいけません。
患者様の中には「歯磨きだけで十分だ」と考えている方もいるでしょうが、それだけではケアしきれない汚れが、舌にたくさん付着しているのです。
今回は、舌磨きの重要性について解説しましょう。
舌磨きの重要性～①舌が白いのは汚れが溜まっているから～
舌磨きといっても、何の汚れを落とすために行うのかが分からないと、その重要性が理解できません。
舌磨きの目的は、舌に付着している汚れを取り除くことにあります。
その汚れは、歯科クリニックだけでなく、患者様もはっきりと目で見ることができます。
舌の白い部分は、汚れが溜まっていることで白くなっていますので、色合いが濃いほど汚れが多く溜まっていると言っても過言ではありません。
そこには、食べかすや死んだ細胞が付着しており、ブラッシングで取り除かない限りそのまま溜まってしまいます。
汚れが酷い場合は、そこから臭いが発生し、口臭に発展してしまいますので、患者様だけでなく周囲の人にも影響が及んでしまう可能性があります。
この口臭が発生する仕組みは、歯磨きをしないままの状況と同じであるとも言えます。
歯だけでなく、舌もきちんとケアしなければ臭いの基になってしまうことは明らかです。
舌磨きの重要性～②唾液の分泌が少ない人ほどケアした方が良い～
ところで、舌に汚れが付着しやすい方とそうでない方がいます。
その違いは、唾液の分泌量が多いかどうかにあります。
唾液の分泌量が多い方は、自浄作用が働きますので舌があまり白くありません。
しかし、唾液の分泌量が少ない方は、自浄作用が上手く働きませんから、汚れがそのまま溜まり、白色が濃くなりやすいのです。
よって、唾液の分泌量に不安がある方は、特に舌磨きの重要性を認識しなければなりません。
舌の色合いで唾液の様子も分かりますから、患者様自身も今の口の環境を探ることができます。
舌磨きの重要性を理解した後にすべきこと
舌磨きの重要性を理解した後は、実践あるのみです。
舌の汚れが溜まりやすいのは朝になりますから、朝の歯磨きと一緒にケアをしてみましょう。
また、口臭の発生原因は複数ありますから、舌の汚れ以外で臭いが生じていることもあります。
大きなトラブルに発展する前に、一度歯科クリニックを受診して原因を突きとめておくと、正しいケアがしやすくなります。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・舌が白いのは、汚れが溜まっている証拠
・汚れが酷いとそこから臭いが生じるため、口臭の原因にもなる
・唾液の分泌量が少ない方は自浄作用が弱いため、舌に汚れが溜まりやすい傾向がある
・舌磨きの重要性を理解した上で、歯磨きと一緒に実践しよう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。
