近年、表情を綺麗に見せたいということで、ホワイトニングを検討する人が増えています。
しかし、施術の際に虫歯を発見した場合、ホワイトニングができません。
何故、ホワイトニングをする際に虫歯を必ず完治させなければならないのでしょうか?
今回はその理由について解説します。
ホワイトニング剤が虫歯に与える影響
ホワイトニングの施術をする際、専用の薬剤を使用します。
その際、いくら歯が健康な人であっても「ちょっと染みるな」と感じることが多いのです。
染みるのが嫌な場合でも、綺麗な歯になるためには気にしない、我慢すると思います。
ですが、虫歯がある場合を想像してみて下さい。
ただでさえ染みやすいホワイトニング剤が、虫歯に少しでも付着するとかなり染みてしまうことが容易に想像できます。
これは、歯にとって良くありません。
ですので、虫歯がある、途中で発見した場合は、真っ先に治療を優先することになるのです。
ホワイトニングを優先してしまうと、症状が進行し、長期間の治療が必要になる可能性もあります。
万全な状態で歯を綺麗にするために、トラブルの早期解決は欠かせません。
ホワイトニングと虫歯の被せ物・詰め物の関係
さらに、ホワイトニングよりも虫歯治療を優先する理由は、被せ物や詰め物にもあります。
被せ物や詰め物は、周囲の歯の色に合わせて選ぶことになります。
ホワイトニングの予定がある場合は、それに合わせた色を選んでおくと、治療跡が目立ちにくくなります。
他の歯がホワイトニングで綺麗になったとしても、虫歯の詰め物の色が違っていてはちぐはぐになってしまいます。
色合いを統一するならば、治療を優先しておくに越したことはありません。
治療の跡も含めて綺麗にできると、よりホワイトニングの効果が感じられます。
ホワイトニング中は虫歯が進行するおそれがある
ホワイトニングよりも先に虫歯治療を受けるべき理由としては、ホワイトニング中に虫歯が進行してしまう可能性があることも挙げられます。
ホワイトニングには一定の期間が必要であり、オフィスホワイトニングでは1~2ヶ月、ホームホワイトニングに関しては1~3ヶ月の期間を要します。
もし虫歯を放置してホワイトニングを受けたら、上記の期間中に虫歯が進行するかもしれません。
最悪の場合、神経に到達するおそれがあります。
虫歯が進行にまで達すると、より複雑な治療が必要になり、神経を除去しなければいけないことも考えられます。
そのため、先に虫歯治療を行い、まずは症状の進行をストップさせなければいけません。
大切なのはホワイトニング前の虫歯予防
ホワイトニングには時間がかかりますから、不測の事態で長引くことはできるだけ避けたいところです。
従って、ホワイトニングを検討している人こそ、虫歯予防を徹底するようにしましょう。
実際に施術を始める前に、歯科クリニックで定期検診を受けることをお勧めします。
虫歯の早期発見は、治療の負担を軽くするだけではありません。
ホワイトニングを受けれるかどうかにも関わりますから、大事なことなのです。
ホワイトニングの相談をする際は、必ず時間を取って虫歯チェックをしてもらいましょう。
ホワイトニング中の虫歯予防も大切
前述した通り、ホワイトニング中も虫歯のリスクはあるため、ホワイトニング前だけでなく、実際施術を行っている期間中も虫歯予防をしなければいけません。
具体的な方法としては、まず治療後の食事に注意することが挙げられます。
ホワイトニングの薬剤は、歯の表面にあるペリクルという成分を剥がしてしまいます。
こちらは歯の表面をコーティングし、酸などから歯を守る役割を持っています。
そのため、ホワイトニング治療後48時間以内は強い酸性のもの、着色しやすいものなどを避けるようにしましょう。
また毎日のブラッシングも、ホワイトニング中の虫歯予防においては欠かせません。
可能であれば毎食後、難しいようであれば少なくとも朝と晩にはブラッシングをするようにしましょう。
虫歯治療後のホワイトニングにおける注意点
ホワイトニングは虫歯治療後に行うべきですが、このとき注意したいのは、神経のない歯はホワイトニングの効果が出にくいという点です。
虫歯が重度にまで進行し、神経を抜いた歯については、黒っぽく変色することが多いです。
こちらは内側からの着色で黒くなっているため、通常のホワイトニングを受けても効果が期待できません。
神経を失った歯を白くする方法
神経を失った歯を白くしたい場合、通常のホワイトニングではなく、ウォーキングブリーチやインターナルブリーチを選択すべきです。
ウォーキングブリーチは、ホワイトニングの薬剤を歯の内側に入れ、歯を白くする方法です。
根管治療では、歯の神経部分の管を掃除した後に薬剤を充填しますが、ウォーキングブリーチではその薬剤を抜き、代わりにホワイトニング剤を入れます。
歯の中に入れた薬剤は1~2週間ごとに交換し、数回の治療で歯が白くなったら元の薬剤に戻します。
またインターナルブリーチは、ウォーキングブリーチと似ているものですが、ホワイトニング剤を入れるタイミングが異なります。
ウォーキングブリーチは治療期間中、歯にホワイトニング剤を入れたままにするのに対し、インターナルブリーチは歯科クリニックにいるときのみ薬剤を入れます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・ホワイトニング剤は染みやすいため、虫歯がある場合は施術することができない
・先にホワイトニングを進めてしまうと、虫歯が進行する可能性がある
・被せ物や詰め物との色合いを合わせるために、治療が優先される
・ホワイトニングの施術を受けるならば、まずは虫歯チェックをしてもらおう
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。