「虫歯かも…」と思うきっかけは、たくさんありますよね。
中には、「今忙しいから」「気のせいかも」と、そのサインを見逃してしまうこともあるでしょう。
ですが、虫歯は単に歯に影響するだけと思って、侮ってはいけません。
虫歯を放置してしまうと、歯の痛み以上の恐ろしい病気に発展してしまうのです。
虫歯菌が顎の骨髄まで広がる病気
最初に紹介する虫歯がきっかけで生じる病気は、「骨髄炎」です。
これは、虫歯菌が歯根の中にまで到達してしまい、顎の骨が菌に侵食されてしまうことで発生する病気です。
具体的な症状には、痛みだけでなく、吐き気や発熱が見られるようになるでしょう。
何より、菌が侵食したことで骨が腐った状態になってしまいますから、骨としての機能に影響が出てしまいます。
治療には、菌を消滅させる必要があり、抗生物質を点滴しなくてはなりません。
これは、入院しないとできない治療ですから、大がかりになるのは間違いないでしょう。
虫歯菌が鼻に影響する病気
次に紹介する虫歯の病気は、鼻に症状が出る「副鼻腔炎」になります。
副鼻腔炎は、上の歯の虫歯が悪化した際に発症が恐れられる病気になりますので、骨だけに影響が出てくる訳ではありません。
一見すると、歯と鼻は繋がりのないように見えますが、血管を通して繋がっている部位でもあります。
従って、歯茎の血管に虫歯菌が侵入してしまった場合、鼻の方にまで菌が侵食してしまうと考えて下さい。
鼻の症状が出た患者さんに聞いてみると、虫歯の治療ができていないというケースも多いですから、上の歯の虫歯には要注意です。
虫歯菌が体全体に悪影響を引き起こす可能性のある病気
最後に紹介するのは、「歯原性菌血症」です。
これは、虫歯菌が歯肉から体内に侵入することで、血流中に流れてしまう病気のことを示します。
ですが、菌が血流内に流れ込んでいるからと言って、すぐに何かしらの症状が出る訳ではありません。
人間が持っている免疫力のおかげで、普段は症状が抑えられている状態なのです。
しかし、免疫力が低下した状態だと、菌は活発に血流内で行動を開始しますよね。
その結果、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こした事例も少なくありません。
上記の病気は、生活習慣等が影響しているとも言われますが、虫歯がきっかけになっていることもあるのです。
このような事実を知ると、虫歯を放置しても大丈夫、とは思えませんよね。
重度の状態になる前に、些細な症状でも気になる時は歯科クリニックで診てもらうと、病気に発展するリスクを低くできます。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・虫歯がきっかけで生じる病気には、骨髄炎や副鼻腔炎、歯原性菌血症といった命に関わるものまである
・いずれも治療には大がかりな入院等が必要になるだけでなく、日常生活が困難になることも
・虫歯は口の中の病気と捉えずに、体全体に影響することを再認識すべき
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!