虫歯治療中は飛行機を避けるべき~体に降りかかるリスク~

虫歯治療中は、できるだけ飛行機に搭乗することを避けなければなりません。

なぜなら、治療箇所が痛むだけでなく、体にも支障が出る恐れがあるからです。

では、体に降りかかるリスクには何があるのでしょうか?

虫歯治療中に飛行機に搭乗するリスクについて、ご説明しましょう。

虫歯治療で神経の治療をしている時は飛行機に搭乗しない方が良い

虫歯治療の中でも、神経の治療を行っている患者様は、その期間中できるだけ飛行機に搭乗してはいけません。

神経の治療を行っていると、治療の過程で歯の根に空気が入ってしまう可能性があります。

普段の生活をしている分には問題ありませんが、飛行機に搭乗すると痛みを生じてしまう恐れがあるのです。

なぜなら、歯の根にある空気が気圧の変化で膨張した場合、神経を圧迫してしまうからです。

せっかく治療を受けていても、飛行機の影響でダメージを受けてしまっては元も子もありません。

仮にどうしても飛行機に搭乗せざるを得ない理由がある場合は、歯科クリニックに相談すると、圧を逃がせるような対処をしてもらえます。

日程変更が難しい場合は、痛む可能性を考えて歯科クリニックに相談しておくのが安心です。

精神的なストレスで痛みが出ることもある

虫歯治療中、飛行機に乗ったときに起こる虫歯の痛みは、精神的なストレスが原因の場合もあります。

特に、飛行機に乗り慣れていない方は、飛行機の事故やトラブルが心配になるでしょう。

こういった不安やストレスが痛みにつながることも考えられます。

また以前飛行機に搭乗したとき、虫歯が痛んだ経験がある方は「今回も痛くなるかも」という不安に駆られます。

このような不安や思い込みにより、それほど痛んでいないにもかかわらず、虫歯の痛みを感じやすくなる可能性も否定できません。

虫歯治療中に飛行機に搭乗すると起こり得る最悪の事態

虫歯治療中に飛行機に搭乗し、歯が痛むことがあっても、強い激痛が起こることはあまりありません。

耐えられないほどの痛みでないからこそ、気のせいかと思ってしまう患者様が多いのです。

しかしながら、飛行機に搭乗した結果、最悪の事態を招くこともあります。

それは、虫歯が破裂してしまうことです。

虫歯が破裂する話を耳にすることはありませんが、全くないとは言い切れません。

稀なケースですが、虫歯が急激に膨張した結果、破裂してしまったということがあるのです。

虫歯治療中の歯が少し痛んだだけ、というのは最悪の事態を回避しただけです。

虫歯治療による痛みが飛行機内で発生したら

虫歯治療中に飛行機に搭乗した際に痛みが発生したら、歯科クリニックを受診するのが鉄則です。

ですが、飛行機内で急に痛んでしまい、どうしようもないこともあるでしょう。

そのような時は、客室乗務員に鎮痛剤がないかどうか、相談してみてください。

航空会社によっては、鎮痛剤を用意していることがありますので、遠慮せずに頼るようにしましょう。

そして薬を服用した後は、歯科クリニックの受診も忘れないようにしましょう。

搭乗中の痛みを予防する方法

どうしても虫歯治療中に飛行機に乗らなければいけない場合、前もって鎮痛剤を服用しておきましょう。

治療を受けている歯科クリニックに事情を説明すれば、鎮痛剤を処方してくれます。

また、搭乗中に歯が痛むのを回避したい場合、仮眠を取るのもおすすめです。

よほどの症状でない限り、眠っている間は痛みを感じることがありません。

特に長距離のフライトの場合、なるべく仮眠を取るように心掛ければ、痛みを感じる時間を短縮することにもつながります。

登山でも同じような症状が起こる場合がある

飛行機に搭乗したときと同じように、登山をしたときにも治療中の歯が痛むことがあります。

先ほども触れたように、飛行機に搭乗したときに歯が痛む主な理由は、気圧の変化による神経の圧迫です。

登山も飛行機ほどではありませんが、高所に移動することには変わりないため、このような痛みが発生します。

地上は海抜0mですが、高い山になればなるほど気圧が低くなります。

例えば箱根山や丹沢山の山頂は15%、日本一高い富士山の山頂は35%ほど気圧が下がり、途中で痛みが生じてパフォーマンスが落ちる可能性が高いです。

【番外編】パイロットの航空身体検査について

飛行機を操縦するパイロットになるには、航空身体検査をパスしなければいけませんが、こちらの項目には“口腔および歯牙に関する基準”があります。

内容は、口腔や歯に重大な疾患や機能障害がないこと、著しい不正咬合がないことなどです。

つまり、虫歯などを発症している場合、パイロットにはなれないということです。

また、パイロットに正常な歯の機能が求められる理由は3つあります。

1つは前述の通り、気圧の変化で虫歯が痛むから、もう1つは被せ物の隙間に空気が溜まるからです。

そして最後の1つがもっとも重要であり、パイロットは事故を防止しなければいけないからです。

パイロットは、人の命を預かる大変な職業であり、飛行機の操縦には高い集中力が必要です。

しかし、虫歯や治療中の歯があると上空で突然痛み出し、気が散って操縦がおろそかになってしまう可能性があります。

航空身体検査における歯の項目は、このようなリスクを排除するためのものです。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・虫歯治療の中でも神経の治療を行っている時は、飛行機に搭乗しない方が良い

・どうしても搭乗する予定がある際は、歯科クリニックに相談する

・最悪の場合、虫歯が膨張し、破裂する恐れがある

・飛行機内で痛みが発生した時は、客室乗務員に相談すると鎮痛剤がもらえる

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。

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