歯ブラシは固い方が良い?

よく患者様の中に、歯ブラシは固い方が好ましいと考えている人がいます。
ブラシが固めだと、ブラッシングの達成感を味わいやすいからです。
しかし中には、固めの歯ブラシが不向きの人もいますので、万人向けというわけではありません。
固めの歯ブラシのメリットとデメリットを、ここで確認しましょう。

歯ブラシが固いことで得られるメリット

歯ブラシは固い方が良いと考えている人のほとんどは、汚れを落とす力に注目して選んでいます。
ブラシ面が固くなるにつれて、当然ですが労力をかけずに汚れを落とすことができます。
そのため、「歯磨きをした!」という達成感や爽快感を得られやすいメリットがあるのです。

特に、歯のぬめりが気になっている時は、固めのブラシで磨くとすっきりできますのでお勧めです。
また、ブラシが固いことで毛先が開きにくいですから、他の歯ブラシに比べると長持ちしやすい点もメリットだと言えるでしょう。

費用面でもメリットがある

先ほど固い歯ブラシは、他の歯ブラシよりも長持ちするという話をしました。
こちらは費用面でのメリットにもつながります。

歯ブラシは、通常1ヶ月に1回程度交換する必要があります。
毛先が広がったり傷んだりした歯ブラシは、清掃性が極端に低下します。
その上、通常の歯ブラシよりも歯茎を傷付けやすくなってしまいます。
そのため同じ歯ブラシを使用し続けてはいけません。

ただし固い歯ブラシは寿命が長いため、交換のスパンも長くなる可能性があります。
つまり他の歯ブラシと比べて、歯ブラシの購入コストを抑えられるということです。

もちろん歯ブラシは数百円のため、1本ではそれほど大きな節約にはなりません。
一方これが数年間になると、大きな金額を浮かせることができます。

歯ブラシが固いことによるデメリット

ところが、歯ブラシが固いことで生じるデメリットもあります。
それは、汚れを落とす力が強すぎるあまり、歯や歯茎を傷つけてしまう可能性があることです。
よく、強い力で歯を磨いてしまうと、傷つける原因になってしまうと言われます。

さらに、洗浄力の強い固めの歯ブラシで磨いてしまうと、より歯を傷つけてしまいかねません。
特に、元から歯が弱かったり、エナメル質が溶けていたりする状態だと、日頃のブラッシングが致命傷になってしまいます。
せっかく虫歯予防のために行っていることでも、これでは損してしまいます。

従って、磨き方に注意する必要がありますし、向き不向きがはっきりしている歯ブラシであることを知っておきましょう。

知覚過敏になってしまうリスクも

固い歯ブラシを使用し続けることで、知覚過敏のリスクを高める可能性もあります。

歯の表面を覆っているエナメル質は、人体においてもっとも硬い組織です。
そう簡単に壊れることはなく、一生涯使い続けることも可能です。

しかし固い歯ブラシでゴシゴシと磨くと、表面に傷が付きます。
毎日何度も強く磨きこれが数年間にわたると、さすがのエナメル質も削られます。

するといわゆる摩耗という現象が起こり、歯質が薄くなります。
その結果、歯の表面と牙質との距離が近づき、知覚過敏の症状が出ます。

知覚過敏になると、食事のときに歯がしみやすくなります。
またブラッシングにも悪影響が出るため、磨き残しが増えやすくなる傾向にあります。

歯ブラシ選びで固い方が向いている人とは?

メリット・デメリットを踏まえた上で、歯ブラシ選びで固い方が向いている人は、「歯が健康な人」になります。
歯が健康というのは、虫歯や歯周病でない人を示します。

歯のトラブルが全くない人の場合、歯や歯茎が丈夫なことがほとんどです。
このような人たちは、洗浄力が強い歯ブラシを使用したとしても、ダメージを受けることがありません。
反対に、歯に多数のトラブルを抱えていたり、体質的に歯が丈夫でなかったりする場合は避けた方が良いでしょう。

固めの歯ブラシを使用しても良いか判断に迷う時は、歯科クリニックにご相談下さい。

やわらかい歯ブラシのメリットは?

やわらかい歯ブラシは、刺激が少ないため優しく歯を磨くことができます。
このことから、歯や歯茎を傷付けにくいです。
普段からつい強い力で磨いてしまう方は、こちらを使用すると良いです。

また細かいところまで毛先が届きやすくなっているのが特徴です。
奥歯や前歯の裏など、歯には磨きにくい部分がいくつかあります。
やわらかい歯ブラシであれば、これらの点の汚れもかき出しやすいです。
当然これは虫歯や歯周病のリスク軽減につながります。

やわらかい歯ブラシのデメリット

やわらかい歯ブラシは、一般的な歯ブラシよりやわらかい毛が使用されています。
そのため、毛先が広がりやすい傾向にあります。
これまで固めの歯ブラシを使っていた方は、消耗が早いと感じるかもしれません。

また前述の通り、やわらかめの歯ブラシは細かい汚れをかき出しやすいです。
しかし咬合面などのプラーク除去率については、固めの歯ブラシには劣ります。
毛先がやわらかい分、どうしても広い面は磨き残しが出やすくなります。

ただし十分時間をかけてブラッシングすれば、プラークを落とすことは可能です。

この記事のおさらい

今回の記事のポイントは以下になります。

・歯ブラシが固いことで、強い洗浄力と爽快感が味わえるメリットがある

・高い洗浄力は、歯のトラブルを抱えている人にとってデメリットにもなる

・固めの歯ブラシの使用が向いているのは、トラブルのない歯が健康な人

・固めの歯ブラシが使用できる歯かどうかは、歯科クリニックで確認しておくとよい

以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう。

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